ゴルフ肘

スイングだけが原因ではない、肘の内側に生じる頑固な痛み

肘の内側に鋭く響くような痛みがあり、ゴルフクラブを握る動作やドアノブをひねる動作、さらには日常の家事や荷物の持ち上げ動作でも不快感を覚える。このような症状がある方は、「ゴルフ肘」の可能性があります。

ゴルフ肘とは、医学的には「上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)」と呼ばれ、前腕の屈筋群(手首を内側に曲げる筋肉群)が肘の内側の骨(内側上顆)に付着する部分で炎症や微細な断裂が起こる状態を指します。名称からゴルフに特化した障害のように思われがちですが、実際にはラケットスポーツ・投球動作・重作業・繰り返しの手作業など幅広い要因で発症する、汎用性の高いスポーツ障害・労働障害です。

特に痛みは、動作中の特定のタイミングで鋭く出ることが多く、安静にしていればある程度落ち着くものの、何かの拍子に痛みがぶり返す「繰り返し型」の症状が特徴です。そのため、放置していると知らないうちに慢性化し、治癒に時間を要するケースも少なくありません。

一時的な痛みの軽減で終わらせず、根本から改善するための5つのステップ

【STEP1】初回カウンセリングと原因評価

まず初めに、どのような動作やタイミングで痛みが出るのか、日常生活・スポーツ・仕事などの背景も含めて丁寧にお話を伺います。痛む場所だけでなく、「なぜその場所に負担がかかっているのか?」を探るために、姿勢・体の使い方・筋肉の緊張や柔軟性などを細かくチェックします。

また、当院では超音波エコー検査を行い、肘の内側の筋・腱・滑液包の状態をリアルタイムに観察します。レントゲンでは見えない軟部組織の炎症や微細損傷を確認できるため、痛みの原因を目で見て納得いただけるのが大きな特徴です。

【STEP2】炎症と痛みを抑える初期ケア

痛みが強い初期には、肘周囲の炎症を抑えるための物理療法やテーピングを行います。具体的には、ハイボルト療法微弱電流といった治療機器で神経の興奮を鎮め、アイシングや局所の圧迫・固定によって腱にかかる負担を最小限に抑えます。

この時期は無理に動かすよりも、「まず痛みを引かせて、回復の土台をつくる」ことを重視します。症状の程度によっては、日常動作やスポーツ活動の制限の仕方もご案内します。

【STEP3】鍼灸・手技療法で深部の筋肉と緊張をリセット

痛みがやわらいできたら、次は「再発しない身体づくり」に向けての施術がスタートします。すぎやま整骨院では、鍼灸施術を用いて、肘の内側にある深層の筋肉(円回内筋・橈側手根屈筋・浅指屈筋など)に直接アプローチします。

前腕の筋肉が緊張して硬くなると、肘の骨にくっついている腱が引っ張られ、炎症が長引く原因になります。鍼は皮膚の奥にある筋肉に届くため、マッサージでは届きにくい深いコリや血流不良を改善するのに非常に効果的です。

また、手技では前腕・上腕・肩まわりの筋膜をゆるめ、動きやすい状態に整えます。肘の痛みが肩や首の硬さに起因しているケースも多く、全体のバランス調整を同時に行うことが、根本改善に必要不可欠です。

【STEP4】関節・姿勢・動作の「クセ」を整える

ゴルフ肘は「肘そのもの」よりも、「肘に負担をかけてしまう身体の使い方」に根本原因があります。そのため、当院では骨格の歪み・筋力のアンバランス・運動連鎖の乱れを見直す整体・矯正施術も行います。

たとえば、体幹が安定していなかったり、肩甲骨が正しく動かない状態では、スイング時に本来は分散されるべき衝撃が肘に集中します。また、手首の硬さやグリップの強さ、アドレス時の姿勢もすべて肘に関係してきます。

すぎやま整骨院では、それらの“連動する部分”を一つひとつ整え、肘をかばわずに済む動き方を再学習するサポートを行います。必要に応じてインソール(フォームソティックス)の提案も行い、足元からの動作修正をサポートすることもあります。

【STEP5】運動療法とセルフケアで再発を防止

最後のステップは、再発を防ぐ身体づくりです。肘周辺のストレッチや筋トレはもちろん、手首や肩、体幹の安定性を高めるトレーニングを段階的に行っていきます。

特に、ゴルフスイング・テニスのフォアハンド・重作業など、繰り返す動作の負荷をどう分散するかをテーマに、フォーム修正のアドバイスや、日常での負担のかかり方を解消するためのセルフケア指導を行います。

また、再び痛みが出そうな動きの前兆に自分で気づけるようになることも重要です。「どうなったら危ないか」「どこを緩めれば楽になるか」まで理解できるようにお伝えします

まとめ:その場しのぎで終わらせず“本当に治す”対応

ゴルフ肘は、放っておいても良くなることはほとんどなく、痛みが落ち着いたとしても原因を改善していなければ、再発しやすい障害です。すぎやま鍼灸整骨院では、表面的な痛みの軽減にとどまらず、「なぜ痛くなったのか」「どうすれば繰り返さずに済むのか」に着目して、画像評価・手技・鍼灸・整体・運動指導を一人ひとりに合わせて行います

整形外科に行ったけれど湿布だけで終わってしまった方、他の整骨院では一時的に楽になったけどすぐ戻ってしまった方、どうかあきらめずにご相談ください。すぎやま整骨院は、“あきらめかけた痛み”にこそ真剣に向き合います。

そもそもゴルフ肘とは?

ゴルフ肘とは、医学的には「上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)」と呼ばれる疾患で、肘の内側にある骨の出っ張り部分(内側上顆)に、前腕の筋肉が繰り返し引っ張られて炎症が起こる状態を指します。名前に「ゴルフ」とついていますが、ゴルフをする人だけに起こるわけではなく、スポーツや仕事、日常生活の中で、手首を内側に曲げる動作(屈曲)や、ひねる動き(回内)を何度も繰り返す方によく見られます

この状態になると、肘の内側にチクチク、ズキズキとした痛みが現れ、物を持つ・絞る・握る・ひねるといった日常のささいな動きでも痛みを感じるようになります。また、安静にしていると落ち着いていても、少し使うだけでぶり返すというように、慢性化しやすいのも特徴です。

発症の原因としては、ゴルフのスイングやテニスのフォアハンド、さらには重たい荷物を何度も持ち上げる作業などが挙げられますが、その本質は「筋肉と骨の付着部に繰り返し小さな負担がかかり続けること」によって、腱がダメージを受けるというメカニズムです

特に肘の痛みが長引いている場合や、「何度も整形外科に行ったけれど治らない」「安静にしてもすぐ再発する」という方は、肘そのものだけでなく、体の使い方・姿勢・他の関節の動きのクセが関係している可能性が高く、早めに専門的な評価と治療が必要です。

すぎやま整骨院では、こうしたゴルフ肘の根本原因に向き合い、痛みの軽減だけでなく、「なぜ起きたか」を解決することを重視した対応を行っています。単なる“肘の炎症”として片付けず、全身のバランスから見直して、繰り返さない身体へ導く。それが私たちのゴルフ肘に対する基本姿勢です。

ゴルフ肘はなぜ起こるのか

【1】前腕屈筋群への繰り返しの牽引ストレス

ゴルフ肘は、肘の内側にある「内側上顆(ないそくじょうか)」という骨の突起部分に、前腕の筋肉(円回内筋、橈側手根屈筋、浅指屈筋など)が繰り返し引っ張られることで、筋肉と骨の接合部に微細な損傷や炎症が起こる状態です。
この状態は、何十回・何百回という手首の屈曲動作やスイング動作の繰り返しによって、筋肉が引っ張られ続けることで引き起こされます。

【2】ゴルフ動作に特有の“ねじれ”と“急激な負荷”

ゴルフのスイングでは、ダウンスイングからインパクトにかけて、手首が内側に巻き込むような動き(回内)が入ります。このとき、グリップを強く握りすぎていたり、スイングの力を手打ちだけで行っていると、前腕屈筋群に過剰な牽引力が集中し、筋腱接合部が繰り返し損傷されます

特にダフリやミスショットのときには、想定以上の衝撃が肘の内側に加わり、急性炎症の引き金になることもあります。

【3】全身の連動不良による“代償動作”

本来、スイング動作は下半身・体幹・肩甲骨・肩関節・肘・手首と、全身が協調して力を伝えていくものです。しかし、股関節や体幹の動きが硬かったり、肩の可動域が狭い場合、スイングのパワーを手先だけで生み出そうとする「代償動作」が起こります。

その結果、肘が本来受けるべきでない負荷をかばい続けることになり、炎症の原因となるのです。

【4】手首の柔軟性不足・グリップの使い方

手首が硬かったり、握り方に癖があると、前腕の筋肉が収縮しっぱなしになり、肘の内側に余計なテンションがかかり続けます。特に「フォアグリップ」でインパクト時に必要以上に力が入る方や、グリップの位置が適切でない方は、肘への負担が大きくなりやすいです。

【5】日常生活や仕事での反復動作

ゴルフだけが原因ではなく、職場で重い物を持つ、パソコン作業で長時間マウスを使う、赤ちゃんを長く抱える、ネジを何度も締めるような作業などでも、同じように肘の内側の筋腱にストレスがかかり続け、炎症を引き起こします。

ゴルフ肘に関するよくある質問(Q&A)

Q1:痛みがあってもゴルフを続けてもいいですか?

A:痛みがある状態でのプレーは悪化の原因になるため、原則として一時的な中止をおすすめします。
ただし、「完全に動かしてはいけない」というわけではありません。患部に負担をかけないフォーム修正や、スイングの強度を抑えるなど、調整次第で可能な場合もあります。当院では、競技を続けながらのリハビリ計画もご提案できますので、ご相談ください。

Q2:ゴルフ肘は自然に治りますか?

A:軽度であれば一時的に症状が落ち着くこともありますが、根本的には“治りきらないまま慢性化”するケースが多いです。
特に、使い方のクセや身体のバランスに原因がある場合、それを改善しないまま日常生活や運動を続けると再発しやすくなります。痛みが2週間以上続くようであれば、早めに専門的な評価を受けることをおすすめします。

Q3:湿布や市販のサポーターで改善しますか?

A:一時的な炎症の鎮静には効果がありますが、長期的には根本改善にはつながりにくいです。
湿布やサポーターは「今の痛みを和らげる」目的としては有効ですが、筋肉の柔軟性や骨格の動き、フォームのクセなどを変えない限り、再び痛みがぶり返してしまうケースが多く見られます。当院では、表面的な処置ではなく、構造や動作そのものを整える施術を行います。

Q4:肘以外も見てもらえるんですか?

A:はい。むしろ肘の痛みは、肩・体幹・股関節・手首などの“連動不良”から起こっていることが多いため、全身のバランスを評価します
当院では、肘だけを局所的に見るのではなく、スイングや仕事の動きなど、“どこが原因で肘に負担がかかっているのか”を分析し、必要な部位すべてに施術・トレーニングを行います。

Q5:治療は痛いですか?何をされるんですか?

A:基本的には痛みを伴わない施術が中心です。症状や状態に応じて、鍼灸・手技・物理療法・矯正・トレーニングなどを組み合わせて行います
鍼灸が不安な方には、まず手技療法や電気治療などからスタートし、希望と症状に応じて段階的に進めますのでご安心ください。問診時にしっかりご希望をうかがったうえで、最適なプランを一緒に決めていきます。

ゴルフ肘の痛みを繰り返さないためにできる、5つの予防ポイント

1.フォームと身体の連動を見直す

ゴルフ肘の大きな原因は、「肘に力が集中してしまう身体の使い方」です。
本来、スイングの力は下半身→体幹→肩→腕→クラブへと流れるべきですが、体幹が安定していなかったり、股関節や肩の動きが悪いと、その分の力を肘や手首で代償的に補おうとし、局所に負荷が集中します。

肘の痛みを予防するためには、「力まかせの手打ち」にならないように、体幹主導でのスイングを意識することが重要です。ゴルフのフォーム改善やスイングチェックも、再発予防の重要な一環といえるでしょう。

2.前腕の筋肉を柔らかく保つ

肘の内側には、手首を曲げたり内側にひねるための前腕屈筋群が付着しています。この筋肉群が硬くなると、肘の骨に強い牽引力がかかり、炎症や痛みの原因になります。

運動後や練習後には、手首を反らせるストレッチ(前腕屈筋の伸長)を行い、肘にかかる負担をリセットしておきましょう。
また、手のひらで壁を押すようなストレッチや、タオルを手前に引き寄せる運動なども効果的です。

3.手首とグリップの使い方に注意する

グリップを強く握りすぎたり、インパクト時に手首の力で打とうとすると、前腕に無理な緊張が走り、肘への負担が増加します。
手首は柔軟に保ち、肩甲骨と体幹で生み出した力を“伝える”役割に徹することが大切です。

握力の左右差や、グリップの癖なども関係してくるため、不安な方はスイングの動画撮影や、整骨院での動作評価を受けると安心です。

4.肩甲骨と体幹のトレーニングを取り入れる

ゴルフのスイングで重要なのは、「腕の力」ではなく「軸と連動性」です。
体幹が弱い、肩甲骨が硬いといった状態では、スイングのエネルギーを効率よく生み出せず、手や肘に頼るフォームになりがちです。

そのため、ゴルフ肘予防のためには、プランク・ヒップリフト・バランスボールなどを活用した体幹安定トレーニングや肩甲骨可動域改善のエクササイズを習慣にするのが効果的です。

5.疲労をためない・違和感を放置しない

ゴルフ肘は、一度の強い衝撃よりも「小さな負担の繰り返し」が引き金になることがほとんどです。
そのため、痛みが出る前の「張る感じ」「違和感」「スイング時に力が入りづらい」といった“小さな変化”を見逃さないことが最大の予防になります。

違和感を放置せず、早期のケア・チェック・軽い調整をするだけで、重症化を防げるケースは非常に多いです。
特に、過去に肘の痛みを経験している方は、定期的なコンディショニングを受けておくと再発率を大きく下げることができます。

まとめ:身体の「バランス」と「正しい使い方」が何よりの予防策

ゴルフ肘は、「肘が悪い」から起きるわけではありません。
肩・手首・体幹・足元など、身体の連動やフォームのクセによって“結果として肘に痛みが出ている”というケースが大半です。

だからこそ、肘だけをケアするのではなく、身体の使い方そのものを見直すことが、最大の予防策になります。

すぎやま整骨院では、ゴルフ肘の施術だけでなく、発症を未然に防ぐための身体評価・ストレッチ指導・トレーニングメニューの提案も行っています。
「痛くなってから」ではなく、「痛くならないように」。
そうした前向きなメンテナンスの意識こそが、ゴルフを長く続けるための秘訣です。

執筆者:平本龍也(上尾小泉院 院長)

私は学生時代から中学~大学まで野球をしていました。

その野球競技経験中に度重なるケガに悩まされていた際に整骨院で柔道整復師の方に治療をしていただきこの職業を知りました。

治療を通じて、ご来院いただいた皆様にとって、安心して体を預けられる治療院を創ることが目標です。現在は施術者として多くの患者様の痛みや悩み向き合っております。
上尾市-久喜市-さいたま市北区土呂/宮原町すぎやま鍼灸整骨院グループをどうぞよろしくお願いいたします。