アキレス腱症・アキレス腱炎

 

 

 

  • 朝起きた時の一歩目に、アキレス腱が痛む
  • 走る・跳ぶ・切り返す動作で痛みが出る
  • 階段やつま先立ちで、かかとの後ろが痛む
  • 運動後や翌日に痛み・こわばりが強くなる
  • 休むと楽になるが、運動を再開するとまた痛む

すぎやま鍼灸整骨院グループでは、上尾市・久喜市・さいたま市の各院で、アキレス腱症に関するご相談に対応しています。痛む場所だけでなく、関節の安定性、可動域、筋力、フォームや歩行を確認します。必要に応じてエコー観察や医療機関への受診案内を行い、施術とリハビリで競技・日常生活への復帰を支援します。

アキレス腱炎とアキレス腱症の違い

一般には「アキレス腱炎」という名前が広く使われています。しかし、長く続くアキレス腱の痛みでは、炎症だけが原因とは限りません。このページでは、検索で多く使われる「アキレス腱炎」も併記しながら、両方をまとめて解説します。

アキレス腱炎…急性期の炎症を中心にあらわすときに使われる呼び方

アキレス腱症…炎症の有無だけでなく長引く痛み・こわばり・腱の機能低下を含む呼び方

痛む場所によって2つに分けられます

付着部アキレス腱症

アキレス腱が、かかとの骨に付着する部分に痛みが出ます。靴のかかとが当たる、坂道を上る、深く足首を曲げるなどの場面で痛むことがあります。

非付着部・中央部アキレス腱症

かかとの付着部から数cm上の、腱の中央付近に痛みや腫れが出ます。ランニングやジャンプを繰り返す方に多くみられます。

痛む位置によって、適した運動の開始方法が異なります。特に付着部が痛む方は、段差からかかとを深く下げる運動で症状が強くなることがあるため、自己判断で同じ運動を行わないことが大切です。

アキレス腱症にみられやすい症状

朝や休んだ後のこわばり

朝の一歩目や、長時間座った後の動き始めに、痛みやこわばりを感じることがあります。

運動中・運動後の痛み

走る、跳ぶ、階段を上る、つま先立ちをする時に痛みが出ます。運動中よりも、終了後や翌日に強くなる方もいます。

腫れ・厚み・押した時の痛み

アキレス腱の中央部またはかかとの付着部に、腫れ、厚み、押した時の痛みがみられることがあります。

蹴り出す力の低下

痛みが長引くと、片脚でかかとを上げにくい、走る速度が落ちる、ジャンプの高さが低くなるなど、競技パフォーマンスにも影響します。

なぜアキレス腱へ負担がかかるの?

アキレス腱症は、通常、一度の大きな外傷だけで起こるものではありません。走る・跳ぶなどの負荷と、腱が回復する量のバランスが崩れた時に起こりやすくなります。

1. 練習量や強度の急な増加

走行距離、ダッシュ、ジャンプ練習、坂道、試合数などを急に増やした時は、腱が負荷へ適応する前に痛みが出ることがあります。

2. 休養不足と同じ動作の繰り返し

痛みが残ったまま連日練習を続けると、負荷から回復する時間が足りなくなることがあります。

3. ふくらはぎの筋力・持久力の不足

アキレス腱は、腓腹筋・ヒラメ筋とかかとの骨をつなぎ、歩行や走行の蹴り出しに働きます。ふくらはぎが現在の運動量に耐えられないと、痛みにつながることがあります。

4. 足首の動き

足首の動きが不足している、または特定の方向へ動く時に痛みがあると、走行や着地の方法が変わり、アキレス腱周辺へ負担が集まることがあります。

5. 靴・路面・競技環境の変化

靴の変更、硬い路面、坂道、競技種目の変更なども確認します。ただし、足の形や歩き方だけを原因と決めつけることはありません。

練習量 × 回復時間 × 筋力 × 足首の動き × 競技動作
これらを一緒に確認することが大切です。

急な強い痛みはアキレス腱断裂に注意してください

次のような場合は、整骨院での施術より先に整形外科など医療機関を受診してください。

  • 後ろから蹴られたような衝撃や「バチッ」という音がした
  • 急な強い痛みと腫れが出た
  • 痛めた脚で歩けない、または片脚でつま先立ちができない
  • 明らかなへこみや腱の途切れを感じる
  • 強い赤み・熱感・発熱がある
  • ふくらはぎ全体が急に腫れた、または息苦しさがある

アキレス腱断裂は、アキレス腱症とは対応が異なります。断裂が疑われる場合は無理にストレッチや運動をせず、速やかに医療機関で検査を受けてください。

すぎやま整骨院の検査

「アキレス腱が痛い」という情報だけで、施術や運動を決めることはありません。

01 痛みの経過と運動量

いつから痛むのか、練習量や競技環境を変えた時期、運動中・運動後・翌日の変化、これまでのケガや治療歴を確認します。

02 痛む位置・腫れ・厚み

付着部か中央部か、押した時にどこが痛むか、腫れや左右差があるかを確認します。

03 足首の動き

膝を伸ばした時と曲げた時の足首の動き、痛みが出る角度、左右差を見ます。

04 ふくらはぎの筋力と持久力

両脚・片脚でのカーフレイズを、痛み・回数・高さ・動き方に注意しながら確認します。

05 歩行・走行・ジャンプ

日常生活では歩行、競技復帰を目指す方は必要に応じて走行、着地、ジャンプ、切り返しまで段階的に確認します。

06 断裂の可能性と医療機関への紹介

急な受傷や断裂が疑われる場合は、必要な確認を行ったうえで医療機関をご案内します。必要に応じてエコーで腱の状態を観察しますが、確定診断や画像診断が必要な場合は整形外科が優先です。

アキレス腱炎・アキレス腱症への4つの施術方針

全員に同じ施術をしたり、最初からすべてのメニューを組み合わせたりすることはありません。検査結果と目標に合わせ、必要なものを選びます。

01 整える|足首・ふくらはぎ・身体の動きを確認

アキレス腱周辺だけでなく、ふくらはぎ、足首、股関節など、歩く・走る動作に関係する部分を確認します。動きにくさや筋緊張が確認できた部分へ、状態に合わせて手技を行います。

02 痛みを抑える|鍼灸・物理療法

痛みやふくらはぎの緊張が強い場合は、状態に応じて鍼灸や物理療法をご提案することがあります。これらだけで腱を強くするのではなく、運動へ進むための補助として位置づけます。

鍼が苦手な方へ無理におすすめすることはありません。

例:超音波施術

アキレス腱症では腱の深部に微細な損傷や血流低下が生じており、自然治癒力が低下しています。超音波施術はこのような部位に対して…

  • 深部までの血流促進により腱の回復を助ける

  • 硬くなった腱繊維の柔軟性回復を促す

  • 痛みの発生物質の排出を促進

  • 筋肉・腱・脂肪組織の滑走性向上により動きやすさを改善

…といった効果をもたらし、日常生活や運動パフォーマンスの早期回復をサポートします。

03 動かす|段階的な腱トレーニング

腱が現在の負荷へ耐えられるよう、状態に合わせてカーフレイズなどを段階的に行います。

両脚から片脚へ。
ゆっくりした動きから速い動きへ。
床上からジャンプ・走行へ。

痛みの場所や翌日の反応を確認しながら、負荷を調整します。

ヒールドロップ【膝伸展位】

ヒールドロップは、アキレス腱炎やアキレス腱症のリハビリ・予防に効果的な運動療法のひとつです。ふくらはぎの筋肉とアキレス腱に適度な伸張刺激を与えることで、腱の柔軟性と耐久性を高めることができます。

◆ 方法
  1. 段差のある台(階段など)に両足のつま先を乗せる

  2. 健側の足で体を支えながら、患側の踵をゆっくりと地面方向に下ろす

  3. アキレス腱がしっかり伸ばされたところで数秒停止

  4. その後、両足で台に戻り、これを10〜15回、1日2〜3セット行う

※無理に痛みを我慢せず、初期は痛みの出ない範囲で調整しましょう。

 

カーフレイズ

カーフレイズ(Calf Raise)は、ふくらはぎの筋肉である腓腹筋とヒラメ筋を強化するための基本的なエクササイズです。アキレス腱を支える筋群を鍛えることで、アキレス腱炎やアキレス腱症、再断裂の予防にもつながります。

◆ 方法
  1. 両足を肩幅に開いて立ち、安定した台や段差の上に足先を置く

  2. かかとをゆっくりと上げ、つま先立ちの姿勢になる

  3. 一番上まで上げたところで2〜3秒キープ

  4. ゆっくりとかかとを下ろす(勢いをつけないこと)

  5. 10〜15回を1セットとし、1日2〜3セットが目安

※バランスが不安定な方は、壁やイスなどに軽く手を添えましょう。

04 支える|歩行・靴・インソール

歩き方、走り方、靴の形や摩耗、足元の安定性を確認します。必要性が認められる場合に限り、矯正インソール「Formthotics Medical」をご提案します。

アキレス腱が痛い方全員にインソールが必要なわけではありません。

インソール療法

アキレス腱は「地面からの衝撃」や「姿勢・重心の乱れ」によって過度なストレスを受けます。こうした問題は日常生活の中で少しずつ腱に負担を積み重ね、「アキレス腱症」や「再断裂」の引き金となることがあります。ですので、足に負担が少ない靴や、足の歪みを改善するインソールを用いた治療もご提案させていただいております。

競技復帰は「痛みが減った」だけで判断しません

スポーツへ戻る時は、次の順に確認します。

  1. 歩行や階段で痛みが大きく増えない
  2. 片脚でかかとを上げる動作が安定する
  3. 小さなジャンプと着地ができる
  4. 軽いジョギングができる
  5. ダッシュ・切り返し・競技練習へ進める
  6. 運動後から翌日に強い悪化がない

ランニング、バスケットボール、バレーボール、サッカーなど、競技によって必要な動作は異なります。実際の競技負荷に合わせて復帰段階を組み立てます。

改善までにどのくらいかかりますか?

アキレス腱の痛みは、数日休めば必ず治るものではありません。痛みが続いている期間、痛む位置、腫れや厚み、筋力、競技負荷によって必要な期間は異なり、改善まで数か月かかることもあります。

大切なのは「○回で治る」と決めることではなく、次の段階へ進める状態かを確認することです。

痛みを落ち着かせる → 腱へ負荷をかける → 跳ぶ・走る → 競技へ戻す

初回検査後に、通院頻度、運動内容、競技復帰までの確認項目をご説明します。

症例

症例1|30代男性・ジョギング時のアキレス腱痛

お悩み

ジョギング中に右アキレス腱へ違和感と痛みが出て来院。走る時に痛みがあり、運動継続に不安を感じていました。

検査

右アキレス腱に圧痛と軽い腫れがあり、ふくらはぎ周辺の緊張も確認しました。足首の動きと、かかとを上げる動作を確認しました。

施術・運動

ふくらはぎ周辺へ手技を行い、痛みの反応を見ながらカーフレイズを導入。走行量を調整し、段階的にジョギングへ戻しました。

経過

数週間の施術と運動継続により痛みが軽減し、ジョギングへ徐々に復帰しました。再発予防として運動を継続しています。

※既存ページ掲載症例を再構成。公開前にカルテ記載、期間、本人同意を再確認してください。施術結果には個人差があります。

症例2|40代女性・立ち仕事と歩行で続くアキレス腱痛

お悩み

数か月前から右アキレス腱に痛みがあり、長時間の立ち仕事やウォーキングで症状が強くなっていました。

検査

右アキレス腱の腫れと圧痛、ふくらはぎの緊張を確認。足首の動き、カーフレイズ、立位バランスを確認しました。

施術・運動

ふくらはぎ周辺への手技と、段階的なカーフレイズ、バランストレーニングを実施しました。

経過

約2か月継続した結果、慢性的な痛みが軽減し、長時間の立ち仕事を行いやすくなりました。

※既存ページ掲載症例を再構成。公開前にカルテ記載、期間、本人同意を再確認してください。施術結果には個人差があります。

アキレス腱炎・アキレス腱症についてよくある質問

Q. 痛みがある時は完全に休んだ方がよいですか?

痛みを我慢して走り続けることはおすすめしませんが、長期間まったく動かさないことが最適とも限りません。走る・跳ぶ量を一度調整し、痛みが大きく増えない運動から段階的に戻します。

Q. 痛みがあっても走れますか?

痛みの強さだけでなく、走った後や翌日の反応、腫れ、片脚カーフレイズの状態を確認して判断します。急な強い痛み、筋力低下、つま先立ちができない場合は走らず、医療機関での検査を優先してください。

Q. ヒールドロップをすれば治りますか?

全員に同じヒールドロップが適するわけではありません。特に付着部が痛む方は、段差からかかとを深く下げることで症状が強くなる場合があります。痛む位置を確認してから方法を決めます。

Q. アキレス腱炎とアキレス腱症は別のものですか?

急性の炎症を表す時には「アキレス腱炎」、炎症だけでは説明できない長引く痛みや機能低下まで含める時には「アキレス腱症」という言葉が使われます。実際には呼び方だけで判断せず、症状・部位・経過を確認することが大切です。

Q. インソールは必要ですか?

全員に必要なわけではありません。歩行・走行、靴、足元の安定性を確認し、アキレス腱への負担を考えるうえで必要性が認められた場合にご提案します。

Q. どのくらいで競技へ戻れますか?

痛みが続いている期間、競技、練習量、筋力によって異なります。痛みが軽くなっただけで復帰せず、カーフレイズ、ジャンプ、ジョギング、競技動作を段階的に確認します。

Q. 整形外科と整骨院のどちらへ行けばよいですか?

急な音や強い痛み、腫れ、歩行困難、つま先立ちができない場合は、アキレス腱断裂の可能性があるため整形外科を優先してください。画像検査や診断が必要な場合も医療機関が優先です。慢性的な痛みや競技復帰に向けた身体の使い方については、状態を確認したうえで対応します。

Q. 子どものかかとの痛みもアキレス腱炎ですか?

成長期の子どもでは、シーバー病など別の状態が関係することがあります。自己判断せず、年齢、痛む位置、運動時の症状を確認することが大切です。

まとめ|痛みを我慢するのではなく、競技へ戻る順番をつくりましょう

アキレス腱の痛みは、休んで一時的に楽になっても、以前と同じ運動量へ急に戻すと再び痛むことがあります。

必要なのは、痛みの場所と強さだけを見ることではありません。

練習量を調整する。
足首とふくらはぎの状態を確認する。
腱へ段階的に負荷をかける。
跳ぶ・走る動作を確認する。
競技へ戻した後の反応まで追う。

すぎやま整骨院では、この順番を一緒に整理します。上尾市・久喜市・さいたま市で、アキレス腱炎・アキレス腱症、繰り返すかかとの後ろの痛みにお悩みの方はご相談ください。

 

執筆者:柔道整復師 上尾中央院 院長 平本 龍也(治療家歴13年)

私は学生時代から中学~大学まで野球をしていました。

その野球競技経験中に度重なるケガに悩まされていた際に整骨院で柔道整復師の方に治療をしていただきこの職業を知りました。

治療を通じて、ご来院いただいた皆様にとって、安心して体を預けられる治療院を創ることが目標です。現在は施術者として多くの患者様の痛みや悩み向き合っております。
上尾市-久喜市-さいたま市北区土呂/宮原町すぎやま鍼灸整骨院グループをどうぞよろしくお願いいたします。