手根管症候群(手の痺れ)

  • 手のしびれが続く
  • 手首の痛みがひどい
  • 指先の感覚が鈍い
  • 物を握るのが辛い
  • 夜間の手の痛み

手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん、Carpal Tunnel Syndrome)は、手首にある手根管と呼ばれる狭い通路で正中神経が圧迫されることにより、手や指に痛み、しびれ、感覚異常が生じる状態を指します。この症状は、手を頻繁に使用する仕事や趣味を持つ人に多く見られます。

 

手根管症候群について|上尾市-さいたま市北区土呂/宮原すぎやま鍼灸整骨院

手根管の解剖学

  • 手根管: 手根管は、手首にある狭いトンネル状の構造で、骨と靭帯で囲まれています。この通路を通るのは正中神経と屈筋腱です。
  • 正中神経: 正中神経は、前腕から手にかけて走り、手の親指、人差し指、中指、薬指の一部に感覚を供給し、いくつかの手の筋肉を動かします。

手根管症候群の原因

手根管症候群は、手根管内の圧力が上昇し、正中神経が圧迫されることによって発生します。主な原因は以下の通りです:

  1. 手首の反復動作
    • 長時間のキーボード作業やマウス操作、重い道具の使用など、手首を頻繁に使う動作が原因で発症します。
  2. 外傷
    • 手首の骨折や脱臼、打撲などの外傷が手根管内の圧力を上昇させることがあります。
  3. 炎症性疾患
    • 関節リウマチや腱鞘炎などの炎症性疾患が手根管内で腫れを引き起こし、正中神経を圧迫します。
  4. 肥満
    • 肥満によって手根管内の組織が増加し、圧力が上昇します。
  5. 妊娠
    • 妊娠中のホルモン変化により、手根管内の腫れや液体貯留が起こりやすくなります。

手根管症候群の症状

手根管症候群の主な症状は以下の通りです:

  1. しびれと感覚異常
    • 親指、人差し指、中指、薬指の一部にしびれや感覚異常が生じます。特に夜間や朝方に症状が悪化しやすいです。
  2. 手の痛み
    • 手首や手の痛みがあり、手を動かすと痛みが強くなることがあります。
  3. 指の感覚の鈍さ
    • 指先の感覚が鈍くなり、物をつかむのが難しくなります。
  4. 手の力の低下
    • 手や指に力が入らず、物を握るのが困難になります。
  5. 手首の腫れとこわばり
    • 手首に腫れやこわばりが見られることがあります。

手根管症候群の診断

手根管症候群の診断は、問診、視診、触診、神経学的検査に基づいて行われます。以下の方法が用いられます:

  1. 問診
    • 症状の経過、痛みやしびれの部位、日常生活での手の使い方について詳しく聞きます。
  2. 身体検査
    • 手首を曲げたり伸ばしたりして、正中神経に圧力がかかるかどうかを確認します。ティネル徴候やファーレン徴候などの検査を行います。
  3. 神経伝導速度検査
    • 正中神経の電気的な伝導速度を測定し、神経の機能を評価します。
  4. 超音波検査
    • 手根管内の正中神経の状態を詳細に確認するために行われます。

手根管症候群の治療方法|上尾市-さいたま市北区土呂/宮原すぎやま鍼灸整骨院

上尾市・さいたま市北区土呂宮原すぎやま鍼灸整骨院では、手根管症候群の患者様に対して、総合的で専門的な治療を提供しています。以下に、当院での手根管症候群の治療手段を詳しくご紹介します。

1. 初診と評価

まず、患者様の症状を詳しくお伺いし、手根管症候群の診断を行います。問診、視診、触診、神経学的検査を通じて、手根管内の圧迫状況や症状の程度を確認します。必要に応じて、整形外科的な検査や画像診断を参考にすることもあります。

  • 問診:症状の経過や痛み、しびれの部位、日常生活での手の使い方について詳しく聞きます。
  • 身体検査:手首を曲げたり伸ばしたりして、正中神経に圧力がかかるかどうかを確認します。ティネル徴候やファーレン徴候などの検査を行います。

2. 保存療法

軽度から中等度の手根管症候群の場合、保存療法が有効です。以下の方法を用います:

  • 手首の安静: 手首を休めるために、手首の使い過ぎを避けるようにします。特に手首を反復して使う動作を減らすことが重要です。
  • サポーターやスプリントの使用: 手首を固定するサポーターやスプリントを使用し、正中神経への圧力を軽減します。夜間に装着することで、症状の悪化を防ぎます。
  • 抗炎症薬の使用: 痛みや炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用します。

3. 手技療法

手技療法は、整骨院ならではの治療方法で、手を使って筋肉や関節を直接治療します。手根管症候群の治療では、以下の手技療法を行います:

  • 筋肉のほぐし: 手首や前腕の筋肉をほぐし、腱の緊張を緩和します。筋肉の緊張を和らげることで、血行が良くなり、圧迫が軽減されます。
  • ストレッチ: 手首や前腕の筋肉や靭帯をストレッチすることで、柔軟性を高め、正中神経への圧力を減少させます。適切なストレッチを行うことで、症状の改善が期待できます。
  • 関節の調整: 関節の動きをスムーズにするための調整を行います。手首や指の関節を適切に動かすことで、関節の安定性を向上させ、痛みを和らげます。

4. 鍼灸治療

鍼灸治療は、痛みの緩和と血行促進に効果があります。手根管症候群の治療では、鍼を使って手首や前腕のツボに刺激を与え、以下の効果を期待します:

  • 痛みの軽減: 鍼治療によって神経の興奮を抑え、痛みを軽減します。
  • 炎症の抑制: 鍼の刺激によって血行が良くなり、炎症を抑える効果があります。
  • 筋肉の緊張緩和: 鍼治療は、筋肉の緊張を緩める効果があり、正中神経への圧力を減少させます。

5. 電気治療

電気治療は、低周波や中周波の電流を使って筋肉の緊張を緩和し、痛みを和らげる方法です。手根管症候群の治療では、以下の方法を用います:

  • 低周波治療: 筋肉に低周波の電流を流し、筋肉を収縮・弛緩させることで、血行を促進し、痛みを軽減します。
  • 中周波治療: 中周波の電流を使って、深部の筋肉や神経に刺激を与え、痛みを和らげます。

6. テーピング療法

テーピング療法は、手根管症候群の治療において、筋肉や関節のサポートを目的として行われます。以下のような効果があります:

  • 圧迫軽減: テープを使って手首を適切な位置に固定することで、正中神経への圧力を軽減し、炎症を抑えます。
  • サポート効果: 筋肉や関節をサポートし、日常生活での動作を助けます。適切なテーピングを行うことで、症状の悪化を防ぎます。

7. リハビリテーション

リハビリテーションは、筋力の回復と関節の可動域の改善を目的としています。手根管症候群のリハビリでは、以下のエクササイズを行います:

  • ストレッチエクササイズ: 手首や前腕の筋肉や靭帯をストレッチし、柔軟性を高めます。これにより、正中神経への圧力を減少させ、症状の改善が期待できます。
  • 筋力強化エクササイズ: 手首や前腕の筋力を強化するためのトレーニングを行います。軽い負荷をかけた運動や抵抗運動を通じて、筋力を回復させます。
  • 動作改善エクササイズ: 日常生活での動作を改善するためのエクササイズを行います。適切な動作を身につけることで、手首の負担を軽減し、再発を防ぎます。

8. 栄養指導

手根管症候群の回復には、適切な栄養が重要です。当院では、バランスの取れた食事の指導も行っています。特に、炎症を抑えるオメガ3脂肪酸や、筋肉の回復を助けるタンパク質を豊富に摂ることが大切です。

9. 生活指導

日常生活での注意点や、手首に負担をかけない動作方法についてもアドバイスします。以下の点に注意しましょう:

      • 手首を過度に使わない: 手首や前腕を過度に使う動作を避け、適度な休息を取るように心がけます。
      • 正しい姿勢と動作: 手首を無理な角度で曲げないようにし、正しい姿勢と動作を心がけます。
      • 適切な道具の使用: 適切な道具を使用することで、手首への負担を軽減します。例えば、パソコン作業時にはエルゴノミクスキーボードやマウス、リストレストを使用し、手首をサポートします。

まとめ

手根管症候群は、手首の手根管内で正中神経が圧迫されることによって生じる状態で、しびれや痛み、感覚異常が主な症状です。早期の診断と適切な治療が重要であり、症状を軽減し、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。上尾市・さいたま市北区土呂宮原すぎやま鍼灸整骨院では、手根管症候群の治療においても、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療プランを提供しています。症状や疑問がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。