野球肘(離断性骨軟骨炎)

  • 肘が痛くて投げられない
  • 肘の内側が腫れている
  • 肘がロックされる感じがする
  • 肘を曲げると痛みが走る
  • 握力が弱くなった気がする

野球肘(離断性骨軟骨炎)は、繰り返しの投球動作や過度なストレスにより、肘関節の上腕骨外側顆の骨と軟骨が血行不良となって壊死し、最終的に骨片が剥離して関節内に遊離体が形成され、痛み、腫れ、関節のロッキング、可動域の制限、握力低下などの症状を引き起こす病態です。

野球肘(離断性骨軟骨炎)について|上尾市-久喜市-さいたま市北区土呂/宮原すぎやま鍼灸整骨院

解剖学的背景

離断性骨軟骨炎(Osteochondritis Dissecans: OCD)

  • 離断性骨軟骨炎は、骨と軟骨の一部が血行不良により壊死し、最終的に骨から分離する病態です。
  • 特に肘関節では、上腕骨の外側部分(肘関節の外側顆)が主な損傷部位です。

 

野球肘(離断性骨軟骨炎)の原因|上尾市-久喜市-さいたま市北区土呂/宮原すぎやま鍼灸整骨院

野球肘(離断性骨軟骨炎)は、主に繰り返しのストレスや外傷によって肘関節の骨と軟骨が損傷し、血行不良となることで発生します。以下に、具体的な原因を詳しく説明します。

1. 繰り返しの投球動作

  1. 投球回数の多さ
    • 野球やソフトボールのピッチャーなどが、長時間にわたり頻繁に投球を繰り返すことで、肘関節に過度なストレスがかかります。
    • 特に若年層で成長期にある選手は、骨や軟骨が発達途上のため、過剰な負荷に耐えきれず損傷しやすくなります。
  2. 高い投球強度
    • 投球のスピードや強さが増すことで、肘関節にかかる負荷が大きくなり、骨と軟骨にダメージを与えます。

2. 投球フォームの問題

  1. 不適切なフォーム
    • 正しい投球フォームを身につけていない場合、肘や肩に過度な負荷がかかりやすくなります。
    • 特に肘を過度に外反させるフォームは、肘関節外側顆に大きなストレスを与えます。
  2. フォームの反復
    • 不適切なフォームを繰り返すことにより、慢性的なストレスが肘関節にかかり、骨と軟骨の損傷が進行します。

3. 投球頻度と休息の不足

  1. 過度な投球頻度
    • 短期間に大量の投球を行うと、肘関節の骨と軟骨が回復する時間が不足し、損傷が蓄積します。
  2. 休息不足
    • 十分な休息を取らずに投球を続けると、損傷が進行し、離断性骨軟骨炎のリスクが高まります。

4. 外傷

  1. 急性の外傷
    • 一度の強い衝撃や外力により、肘関節に急激なストレスがかかり、骨と軟骨が損傷することがあります。

5. 過去のケガ

  1. 既往歴
    • 過去に肘のケガを経験している場合、関節の構造が弱くなっており、再度の損傷リスクが高まります。

6. 発育期の影響

  1. 成長期の子供
    • 成長期の子供は、骨や軟骨が完全に発達していないため、過度な投球によって損傷しやすくなります。
    • 特にリトルリーグや中学・高校野球での過度な投球が原因となることが多いです。

 

野球肘(離断性骨軟骨炎)の症状|上尾市-久喜市-さいたま市北区土呂/宮原すぎやま鍼灸整骨院

野球肘(離断性骨軟骨炎)は、肘関節の骨と軟骨が損傷することでさまざまな症状を引き起こします。以下に、主な症状を詳しく説明します。

1. 痛み

  • 投球時の痛み
    • 特に投球動作中やその直後に、肘の外側に鋭い痛みが生じます。
    • 痛みは投球回数が増えると悪化し、休息をとっても完全には消えないことが多いです。
  • 安静時の痛み
    • 症状が進行すると、安静時や日常生活の動作中にも痛みが現れることがあります。
    • 肘を曲げたり伸ばしたりするだけで痛みが生じることもあります。

2. 腫れと炎症

  • 肘の腫れ
    • 肘関節周囲に腫れが見られることがあります。腫れは炎症反応の一環として現れます。
  • 熱感
    • 損傷部位に炎症が起こり、触れると熱感を感じることがあります。

3. 関節のロッキング

  • 関節のロッキング(引っかかり感)
    • 剥離した骨片や軟骨片が関節内で動くことにより、肘関節がロックされる(動かなくなる)ことがあります。
    • この症状は、肘を動かそうとすると突然引っかかり、動かなくなることを指します。

4. 可動域の制限

  • 肘の可動域の制限
    • 痛みと腫れにより、肘関節の可動域が制限されることがあります。
    • 肘を完全に伸ばしたり曲げたりすることが難しくなります。

5. 握力低下

  • 握力の減少
    • 痛みや不安定感のために握力が低下し、ボールを握ることが困難になることがあります。
    • 握力低下は、日常生活にも影響を及ぼします。

6. 関節の不安定感

  • 肘の不安定感
    • 骨片が剥離することで関節が不安定になり、特に投球動作での外反ストレスに対する抵抗力が低下します。
    • 不安定感は、肘がぐらつく感じがすることを指します。

7. 力が入らない感覚

  • 力が入らない感覚
    • 肘の痛みや不安定感のために、腕に力が入りにくくなります。
    • 特にボールを投げる際に力が入らず、パフォーマンスが低下することがあります

 

野球肘(離断性骨軟骨炎)に対する当院での治療|上尾市-久喜市-さいたま市北区土呂/宮原すぎやま鍼灸整骨院

上尾市-久喜市-さいたま市北区土呂宮原すぎやま鍼灸整骨院では、野球肘(離断性骨軟骨炎)の患者様に対して、包括的で専門的な治療を提供しています。以下に、当院での具体的な治療内容を詳しく説明します。

1. 初診と評価

問診と視診
  • 症状の発生状況:痛みの部位、発生時期、原因となった運動や動作の内容について詳しくお聞きします。
  • 視診:患部の腫れ、内出血、変色の有無を確認し、症状の程度を評価します。
触診
  • 圧痛の確認:肘の損傷部位を触診し、圧痛点や硬結の有無を確認します。
  • 可動域の評価:肘関節の曲げ伸ばしの可動域を評価し、制限の程度を確認します。
画像診断
  • X線やMRIの使用:必要に応じて画像診断を行い、骨軟骨片の存在や損傷の程度を詳細に評価します。

2. 急性期の治療

RICE処置
  • Rest(安静):患部を安静に保ち、無理な動きを避けることで炎症を抑えます。
  • Ice(冷却):患部にアイシングを行い、1回20分を目安に、数時間おきに行います。これにより、腫れと痛みを軽減します。
  • Compression(圧迫):弾性包帯を使用して患部を圧迫し、腫れを抑えます。
  • Elevation(挙上):患部を心臓より高く挙げることで、腫れと内出血を軽減します。

3. 回復期の治療

手技療法
  • マッサージ:周囲の筋肉をマッサージして、緊張を緩和し、血行を促進します。これにより、痛みと炎症が軽減されます。
  • 筋膜リリース:筋膜の癒着や硬結を緩め、筋肉の柔軟性を回復させます。
電気治療
  • 低周波治療:筋肉に低周波の電流を流し、筋肉を収縮・弛緩させることで、血行を促進し、痛みを軽減します。
  • 超音波治療:超音波を使用して、深部の筋肉や組織の血流を改善し、治癒を促進します。
リハビリテーション
  • ストレッチ:柔軟性の回復を目的としたストレッチを行います。軽いストレッチから始め、徐々に負荷を増やしていきます。
    • 例:前腕屈筋群、上腕三頭筋のストレッチ
  • 筋力強化エクササイズ:筋力の回復を目的としたエクササイズを行います。軽い負荷から始め、徐々に強度を増やしていきます。
    • 例:エキセントリックトレーニング、握力強化運動
  • バランストレーニング:バランスの回復を目的としたエクササイズを行います。これにより、全体的な筋力と安定性を向上させます。
    • 例:プランク、バランスボールエクササイズ
動作分析とフォーム指導
  • 投球フォームの見直し:投球フォームの分析を行い、肘や肩に負担の少ないフォームを指導します。
  • 反復練習:正しいフォームを習得するために、反復練習を行い、無理のない投球動作を身につけます。

4. 生活指導

日常生活の注意点
  • 正しい姿勢と動作:日常生活での正しい姿勢や動作方法を指導し、再発防止を図ります。
    • 体重管理:体重が増加すると患部にかかる負担が増えるため、適切な体重を維持するようにアドバイスします。
    • 靴の選び方:適切なサポートがある靴を選び、患部にかかる負担を軽減します。
トレーニングの計画
  • 徐々に負荷を増やす:トレーニング量や強度を徐々に増やし、急激な負荷を避けます。
  • 休息の取り方:適度な休息を取り入れ、筋肉や靭帯の回復を促進します。

5. フォローアップ

定期的な経過観察
  • 症状の評価:定期的に来院していただき、症状の評価を行います。治療の進捗や効果を確認し、必要に応じて治療計画を調整します。
リハビリの進捗確認
  • エクササイズの進捗:リハビリテーションのエクササイズの進捗を確認し、患者様が正しく行えているかをチェックします。必要に応じて新しいエクササイズを追加します。

まとめ|上尾市-久喜市-さいたま市北区土呂/宮原すぎやま鍼灸整骨院

野球肘(離断性骨軟骨炎)に対する当院での治療は、初診と評価から始まり、急性期のRICE処置、手技療法、電気治療、リハビリテーション、投球フォームの指導、生活指導、フォローアップまで、包括的で個別に合わせたアプローチを取ります。これにより、痛みの軽減、機能回復、再発防止を目指します。

上尾市-久喜市-さいたま市北区土呂宮原すぎやま鍼灸整骨院では、野球肘(離断性骨軟骨炎)の患者様に対して、最適な治療とリハビリテーションを提供しています。症状や疑問がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

上尾市 すぎやま整骨院|症例

  • 上尾市 10代 男性

    上尾市すぎやま整骨院野球の練習中に足首捻挫前距腓靭帯損傷腫れ内出血

    投球後に肘の外側に強い痛みを感じ、腕を曲げることが困難になり離断性骨軟骨炎と診断され来院。電気治療と手技療法を行う。リハビリ期間中は軽いストレッチや体幹トレーニングを取り入れ、体全体のバランスを整えることに重点を置いた。3か月の治療期間を経て痛みがなくなり、再び投球を行うことができた。

    ※患者様個人の感想であり、効果には個人差があります。

  • 上尾市 10代 男性

    上尾市すぎやま整骨院野球の練習中に足首捻挫前距腓靭帯損傷腫れ内出血

    試合中に肘の外側に鋭い痛みを感じました。整骨院での診察の結果、離断性骨軟骨炎が確認され来院。電気治療と手技療法により筋肉の緊張を緩和し、患部の回復を促進した。治療と平行して、肘に負担をかけないフォームの指導を行い、2か月半後には症状が改善し練習を再開できるようになった。

    ※患者様個人の感想であり、効果には個人差があります。

  • 上尾市 10代 男性

    上尾市すぎやま整骨院野球の練習中に足首捻挫前距腓靭帯損傷腫れ内出血

    練習中に肘の外側に持続的な痛みを感じ、離断性骨軟骨炎と診断され来院。肘を休ませるために投球を中止し、手技療法と超音波治療を用いて炎症を抑え痛みを軽減させた。リハビリでは、肩や肘の周囲筋のストレッチや軽い筋力トレーニングを取り入れ、関節の安定性を強化し2か月後痛みが軽減し投球を再開することが出来た。

    ※患者様個人の感想であり、効果には個人差があります。