腸脛靭帯炎(ランナー膝)




- 走ると外膝が痛い
- 長距離走ると辛い
- 階段の下りが痛い
- 膝外側が腫れる
- トレーニングができない

腸脛靭帯炎(Iliotibial Band Syndrome, ITBS)、通称ランナー膝は、腸脛靭帯が膝外側で摩擦を生じ、炎症や痛みを引き起こす状態です。これは特にランニングやサイクリングなど、膝の屈伸を繰り返す運動をする人に多く見られます。
腸脛靭帯炎(ランナー膝)について|上尾市-久喜市-さいたま市北区土呂/宮原すぎやま鍼灸整骨院

腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)とは、大腿外側にある腸脛靭帯が膝の外側にある大腿骨外側上顆と繰り返し擦れることで、炎症や摩擦痛を引き起こすスポーツ障害です。特にランナー、自転車競技、登山、バスケットボール、サッカーなど膝の屈伸動作を頻繁に行う方に多く発生し、別名「ランナー膝」とも呼ばれています。
なぜ腸脛靭帯炎になるのか
腸脛靭帯炎は、構造的な問題・動作パターン・筋力バランス・地面反力の受け方など、複数の要因が重なって発症します。膝の屈伸時に、腸脛靭帯が大腿骨外側上顆(がいそくじょうか)と呼ばれる骨の突起を何度も擦れることで、摩擦熱と微細な損傷が繰り返され、結果的に炎症が生じます。詳しく説明していきます。
原因となる主なメカニズム

股関節・骨盤の不安定性
中臀筋や腸腰筋の筋力不足により骨盤が安定せず、ランニング中に膝が内側へ入る(ニーイン)動きが増えることで、腸脛靭帯への引き伸ばし負荷が高まります。
足の回内(オーバープロネーション)
着地時に足が過度に内側へ倒れることで、膝や股関節の回旋が強くなり、腸脛靭帯が過剰に伸張されてしまいます。
O脚・膝のアライメント不良
外反膝や下肢のねじれにより、腸脛靭帯が常に張った状態となり、膝外側に摩擦が集中します。
大腿筋膜張筋や広筋群の緊張
大腿外側の筋肉が硬くなっていると、腸脛靭帯の滑走性が悪くなり、膝外側の炎症リスクが増します。
フォーム不良(ピッチ走法・過剰な膝の伸展)
膝を伸ばし切る走り方では、接地時に腸脛靭帯が強く擦られるため、長距離を走ることで発症しやすくなります。
トレーニングの過負荷・休息不足
急激な距離や強度の増加、リカバリーが不足した状態での連日練習も、組織への微細損傷を蓄積させます。
腸脛靭帯炎に対するすぎやま鍼灸整骨院での治療
すぎやま鍼灸整骨院グループでは、腸脛靭帯炎を「一時的な炎症」として対処するのではなく、身体の構造・使い方・環境に根差した多角的なアプローチで、根本改善を目指します。
整体・筋膜リリース

徒手検査で骨盤・股関節・膝関節の動作不全やアライメント不良を評価し、それに基づいた骨格調整と筋膜の滑走改善を実施します。大腿筋膜張筋、広筋群、中臀筋など、腸脛靭帯に連動する部位へのアプローチにより、筋緊張のアンバランスを正し、膝外側の摩擦ストレスを軽減します。
施術は、関節モビライゼーション、ストレッチ、筋膜リリース、軟部組織操作を段階的に組み合わせ、痛みを軽減しながら可動性の回復と再発リスクの除去を行います。
鍼灸

炎症部位および関連筋(大臀筋・大腿筋膜張筋・外側広筋など)に対して、深部刺鍼を用いて筋緊張の緩和と局所血流改善を図ります。特に慢性炎症や再発を繰り返しているケースでは、硬結化した筋膜の可動性回復や自律神経調整にも鍼灸は有効です。
東洋医学の観点からは、胆経に沿った経絡の気血の流れを調整し、炎症局所と全身調整を同時に行うことで、身体全体の治癒力を高めます。
超音波治療(LIPUS)・テーピング

腸脛靭帯が擦れる膝の外側に対して、LIPUS(低出力パルス超音波)を用い、細胞レベルでの回復を促進。微細な振動が組織修復を加速し、疼痛緩和とともに腱・靭帯の柔軟性改善にもつながります。急性期の炎症抑制と慢性期の組織再建の双方に対応します。深部加温によって代謝活性が高まり、運動療法との相乗効果も期待されます。またテーピングにより、腸脛靭帯への負担を減らし、痛みの最大値を下げていきます。
メディカルトレーニング

腸脛靭帯炎の再発予防には、フォーム改善と筋機能の再構築が必須です。当院では、動作分析と姿勢評価をもとに、個別プログラムを作成し、下肢・体幹の筋力と柔軟性をバランス良く強化します。
特に中臀筋、股関節外旋筋、内転筋、腹横筋、体幹インナーを狙ったトレーニングにより、荷重の偏りを是正。EMS機器やバランスツールも併用し、痛みのない正しい動作を習慣化させます。
スポーツ選手に対しては、競技特性に応じた着地指導やステップトレーニングも組み込み、パフォーマンス向上も同時に目指します。
インソール(足底バランス調整)

足のアライメント不良(偏平足・過回内・外反母趾など)に対して、医療用矯正インソール(フォームソティックス・メディカル)を使用。足部から膝・股関節までの力の伝達ラインを整えることで、腸脛靭帯へのストレスを根本から軽減します。
個々の足型と歩行動作に基づいて作成されたインソールにより、日常生活や競技中も安定した荷重分散が実現します。
改善までの期間の目安

腸脛靭帯炎の改善には、単に炎症を抑えるだけでなく、痛みの原因となる筋肉の使い方や関節の動かし方を見直すことが重要です。すぎやま鍼灸整骨院では、症状の程度に応じて、段階的に施術とトレーニングを行い、根本からの改善を目指します。ここでは、状態ごとにどのくらいの期間で回復が見込めるかをわかりやすくご説明します。
軽度(初期の違和感や軽い炎症)
・目安期間:2~4週間程度・状態の特徴:ランニングのあとに軽く張りを感じたり、動き始めに違和感があるが、日常生活や通常の歩行には支障がない状態です。 ・対応:炎症を広げないよう患部を安静に保ち、軽めのストレッチや身体の使い方を見直すだけで比較的早期に改善します。
中等度(運動時痛が明確、階段や走行で痛む)
・目安期間:4~8週間程度 ・状態の特徴:走っている最中や階段の上り下りで膝の外側に痛みが出る状態です。痛みでフォームが崩れたり、スポーツを続けるのが難しくなってきます。 ・対応:整体や鍼灸、超音波治療などを組み合わせた施術を行いながら、筋力と柔軟性をバランスよく取り戻し、正しいフォームを身につけていきます。
重度(痛みが強く、日常動作や歩行にも影響)
・目安期間:8~12週間以上・状態の特徴:歩くのもつらく、階段の上り下りや立ち座りの動作で強い痛みを感じる状態です。炎症が慢性化している可能性もあります。 ・対応:急性期は炎症を抑える治療(鍼灸や超音波)と安静を中心に行い、その後は身体全体のバランスを整え、再発を防ぐための運動療法を段階的に進めていきます。
再発・慢性例(数ヶ月以上繰り返している、長期間治らない)
・目安期間:3か月以上、継続的な通院と運動指導が必要 ・状態:改善と再発を繰り返し、スポーツや日常への影響が大きい ・対応:構造的要因の徹底評価、足部から体幹までの機能的改善、競技復帰プログラムの段階的導入が必要
※改善には「痛みの消失」だけでなく、「再発を防ぐ身体の使い方を獲得する」ことがゴールです。
腸脛靭帯炎のセルフケアストレッチ
ストレッチは、硬くなった筋肉や筋膜を柔軟に保つことで、腸脛靭帯にかかる引っ張りや摩擦のストレスを減らすことができます。柔軟性が失われると、膝や股関節の動きが悪くなり、無理な動きや偏った負荷が蓄積して炎症を起こしやすくなります。
さらに、ストレッチは関節の可動域を広げ、血流を促進し、疲労物質の排出や回復力の向上にもつながります。日々のセルフケアとして取り入れることで、再発の予防やパフォーマンスの向上にも大きく貢献します。腸脛靭帯炎に有効かつ簡単なストレッチをご紹介します。
大腿筋膜張筋


腸脛靭帯と直接連動している筋肉で、ここが硬くなると腸脛靭帯が常に引っ張られる状態になり、膝外側に過剰な摩擦が生じやすくなります。柔軟性を保つことで、腸脛靭帯への負担を軽減できます。
やり方
立位で肩幅に足を開きます。伸ばしたい方の足を軸足に、身体をくの字に曲げていきます。その際に軸足を少し内側に捻った状態で行いましょう。30秒キープを3セット行います。※強く伸びた感覚は無いと思いますが、じっくりやることで効果が出てきます。
腸腰筋


股関節を前に動かす役割を持ち、体幹の安定にも関与します。ここが硬くなると骨盤が前傾しやすくなり、下半身全体のアライメントが崩れて腸脛靭帯への負担が増大します。柔軟性を保つことで膝・股関節の自然な動きを支えます。
やり方
伸ばしたい方の足と逆の足を前に出します。その状態から上体を前に移動させます。注意点としては、ストレッチ中はなるべく上半身をまっすぐにキープする事を意識してください。その状態で20秒キープ 2セットを行って行きましょう!
中殿筋


骨盤を安定させる働きを担う筋肉です。この筋力が低下すると、走行中に骨盤がブレて膝が内側に入りやすくなり、結果として腸脛靭帯への張力が増して炎症を引き起こしやすくなります。
やり方
座った状態で伸ばしたい方の足をクロスします。そこから体を上げた足の方向へ捻り、同時に足を引き寄せます。
20秒キープを2セット行っていきましょう!
腸脛靭帯炎のよくある質問
Q1:安静にしていれば治りますか?
→ 一時的に痛みは軽減しますが、根本原因(筋力バランス・フォームの癖など)を改善しないと再発リスクが高まります。
Q2:歩いても大丈夫ですか?
→ 軽度であれば問題ありませんが、痛みが出る場合は一時的に活動制限し、回復を優先することが重要です。
Q3:サポーターやテーピングは有効ですか?
→ 一時的な補助には有効ですが、長期的にはトレーニングと施術による改善が必要です。
Q4:再発しやすいのはなぜ?
→ 原因となる動作パターンや柔軟性不足、筋力のアンバランスがそのままだと、再発しやすくなります。定期的なトレーニングと調整が必要です。
Q5:すぎやま整骨院ではどれくらいの頻度で通えば良いですか?
→ 急性期は週2回、その後は症状の改善状況に応じて週1回ペースでの施術とトレーニングをおすすめします。
まとめ

腸脛靭帯炎は、ランニングやスポーツで繰り返し負荷がかかることによって発症しやすい膝の外側の炎症です。単なる炎症と軽視せず、股関節や骨盤、足のバランスまでしっかり評価しながら、原因を見極めて治療を進めることが大切です。
すぎやま鍼灸整骨院では、整体・鍼灸・超音波治療・メディカルトレーニング・インソールなど、多角的な視点でアプローチを行い、早期回復と再発予防の両立を目指します。
「整形外科で“異常なし”と言われたけれど、痛みは続いている」「他の治療院に通ってもなかなか改善しない」
そんな方こそ、私たちに一度ご相談ください。
あきらめかけたその痛み、当院で根本からの改善を一緒に目指していきましょう。

















