肩鎖関節脱臼

- 肩を動かすと痛い
- 肩が腫れて痛い
- 肩が痛くて動かせない
- 肩が変な位置にある
- 肩を動かすと音がする
すぎやま鍼灸整骨院グループでは、上尾市・久喜市・さいたま市の各院で、肩鎖関節脱臼に関するご相談に対応しています。強い痛みや腫れ、変形、動かせない症状がある場合は、まず骨折・脱臼の可能性を確認し、必要に応じて速やかに医療機関をご案内します。回復段階に合わせて、可動域や筋力を取り戻すためのリハビリまで支援します。
肩鎖関節脱臼|肩の上の出っ張り・転倒後の痛みからスポーツ復帰まで
「スポーツ中に肩から転倒した」「自転車で転んで肩の上が出っ張っている」「肩の一番上を押すと痛い」「腕を上げると肩の上に痛みが出る」「肩鎖関節脱臼と言われたけれど手術が必要なのか分からない」
このような症状では、肩鎖関節脱臼が起きている可能性があります。
肩鎖関節とは、鎖骨の外側と肩甲骨の肩峰がつながっている小さな関節です。
肩を直接地面へぶつけたり、スポーツ中に相手と接触したりして強い外力が加わると、この関節を支えている靭帯を傷め、鎖骨と肩甲骨の位置関係が崩れることがあります。
これが肩鎖関節脱臼(AC joint injury / AC joint separation)です。
肩鎖関節脱臼で大切なのは、「出っ張っている=必ず手術」「痛くなくなった=競技復帰できる」と単純に判断しないことです。
肩鎖関節脱臼には軽度の靭帯損傷から、肩鎖靭帯・烏口鎖骨靭帯が完全に損傷し、大きく位置がずれるものまであります。
治療方法は、損傷の程度、脱臼の方向、競技、仕事内容、利き腕、本人が肩に求める機能などによって変わります。
上尾市・久喜市・さいたま市のすぎやま鍼灸整骨院では、転倒や接触後の肩の痛みに対して、肩鎖関節の圧痛、腫れ、変形、可動域、肩甲骨の動きなどを国家資格者が確認します。
肩鎖関節脱臼や鎖骨骨折などが疑われる場合には、整形外科でのレントゲンなど必要な画像検査をご案内します。
そして治療後は、肩の痛みを減らすだけではなく、腕を上げる・押す・投げる・ぶつかるといった日常生活やスポーツに必要な機能まで段階的に戻していきます。
肩鎖関節脱臼でみられやすい症状
このような症状はありませんか?
・転倒して肩の一番上が痛い
・肩の上を押すと強く痛い
・肩の上が出っ張って見える
・左右で鎖骨の高さが違う
・腕を上げると肩の上が痛い
・反対側の肩へ手を伸ばすと痛い
・寝返りで肩が痛い
・荷物を持つと肩が下へ引かれて痛い
・腕立て伏せやベンチプレスで痛い
・ボールを投げると痛い
・コンタクトプレーが怖い
・治療後も肩甲骨周囲が疲れやすい
肩の上に明らかな変形がある場合や、転倒後に腕をほとんど動かせない場合には、肩鎖関節脱臼だけでなく鎖骨骨折や肩関節脱臼なども考える必要があります。
肩鎖関節とは?
鎖骨と肩甲骨をつなぐ関節です
肩鎖関節は、鎖骨の一番外側と肩甲骨の肩峰がつながる関節です。
非常に小さな関節ですが、腕を上げるときには鎖骨と肩甲骨が連動して動くため、肩全体の動きに関係しています。
肩鎖靭帯が関節を支えています
肩鎖関節のすぐ周囲には肩鎖靭帯があります。
肩鎖関節そのものの安定性に関わる重要な靭帯です。
烏口鎖骨靭帯が鎖骨と肩甲骨をつないでいます
さらに重要なのが烏口鎖骨靭帯です。
烏口鎖骨靭帯は、
・円錐靭帯
・菱形靭帯
から構成され、鎖骨と肩甲骨の位置関係を保つ重要な役割があります。
肩鎖関節脱臼では、肩鎖関節だけを見るのではなく、肩鎖靭帯と烏口鎖骨靭帯がどこまで損傷しているかを考えることが重要です。
肩鎖関節脱臼はどのように起こる?
肩から直接地面へ落ちる
最も代表的な受傷機転です。
腕を身体の横に近い位置にしたまま、肩の外側から地面へ強くぶつかることで発生します。
自転車・ロードバイク
転倒した際に肩から路面へ落ちることで肩鎖関節へ強い外力が加わります。
ラグビー・アメリカンフットボール
タックルや接触によって肩から地面へ倒れた際に起こることがあります。
サッカー
相手との接触やジャンプ後の転倒によって肩を地面へ強く打つことで起こる場合があります。
柔道・格闘技
投げられたり、肩からマットへ落ちたりすることで肩鎖関節へ強い衝撃が加わります。
手をついて起こることもあります
肩への直接外力ほど典型的ではありませんが、手や肘から入った衝撃が肩まで伝わって肩鎖関節を傷めることもあります。
なぜ肩の上が出っ張って見えるの?
鎖骨と肩甲骨の位置関係が変わるためです
肩鎖靭帯や烏口鎖骨靭帯が大きく損傷すると、鎖骨と肩甲骨の位置関係が変化します。
見た目では「鎖骨が上へ飛び出した」ように感じることがあります。
実際には鎖骨だけの問題ではなく、肩甲骨を含めた肩帯全体の位置関係が変化しています。
出っ張りが残ることがあります
保存療法で治療した場合、痛みや機能が改善しても肩の上の段差が多少残るケースがあります。
見た目の出っ張りと、肩の機能がどこまで回復しているかは必ずしも同じではありません。
そのため、見た目だけで治療の成功・失敗を判断するのではなく、痛み、可動域、筋力、肩甲骨の動き、仕事・スポーツでの使いやすさまで確認することが重要です。
肩鎖関節脱臼のRockwood分類
損傷の程度によってⅠ型からⅥ型まで分類されます
肩鎖関節脱臼では、画像所見や靭帯損傷、脱臼方向などからRockwood分類が広く使用されています。
Ⅰ型
肩鎖靭帯の軽度損傷が中心で、肩鎖関節の大きなずれはありません。
一般的には肩鎖関節捻挫に近い状態です。
Ⅱ型
肩鎖靭帯の損傷が強くなり、烏口鎖骨靭帯にも損傷が及びます。
肩鎖関節に軽度の位置変化がみられる場合があります。
Ⅲ型
肩鎖靭帯と烏口鎖骨靭帯がともに大きく損傷し、肩鎖関節の上下方向のずれが明らかになります。
肩鎖関節脱臼で、保存療法か手術療法かが特に議論されるタイプです。
Ⅳ型
鎖骨外側端が後方へ大きくずれるタイプです。
単純な上下方向のずれとは異なり、手術を含めた専門的評価が重要です。
Ⅴ型
Ⅲ型よりもさらに大きな上下方向の転位を伴う高グレード損傷です。
周囲の筋膜などにも大きな損傷が及んでいることがあります。
Ⅵ型
非常にまれですが、鎖骨外側端が肩峰や烏口突起より下方へ転位するタイプです。
高エネルギー外傷でみられることがあり、他の損傷を伴っていないか慎重な評価が必要です。
RockwoodⅢ型は手術した方がいい?
Ⅲ型は治療方針が一律ではありません
肩鎖関節脱臼の中でも、RockwoodⅢ型は手術療法と保存療法のどちらを選択するか議論されることが多いタイプです。
近年の比較研究・メタ解析では、急性RockwoodⅢ型について、長期的な肩の機能評価で手術療法が保存療法を明確に上回るとは限らないことが報告されています。
そのため現在では、Ⅲ型だから全員手術という考え方ではなく、まず保存療法を選択するケースも少なくありません。
競技・仕事によって判断が変わる場合があります
一方で、
・高いレベルで競技している
・肩へ大きな負荷が加わる仕事をしている
・保存療法後も強い痛みが続く
・肩甲骨の機能障害が大きい
・不安定感が強い
・見た目に対する本人の希望が強い
などを含めて手術が検討される場合があります。
「Ⅲ型だから手術」「Ⅲ型だから保存」と分類だけで決めるのではなく、その方が肩を何に使いたいのかまで含めて考えることが重要です。
RockwoodⅣ〜Ⅵ型について
高グレード損傷では整形外科での専門的評価が重要です
RockwoodⅣ型・Ⅴ型・Ⅵ型のように大きな転位を伴う肩鎖関節脱臼では、手術療法が検討されることが多くなります。
特にⅣ型の後方転位やⅥ型の下方転位などは、単純な肩鎖関節捻挫として扱う状態ではありません。
骨折や神経・血管障害などを伴っていないかも含めて整形外科での評価が必要です。
肩鎖関節脱臼と鎖骨骨折の違い
受傷機転が似ています
肩から地面へ転倒すると、肩鎖関節脱臼だけでなく鎖骨骨折も起こる可能性があります。
どちらも、
・肩の痛み
・腫れ
・内出血
・腕を上げにくい
・変形して見える
といった症状が出るため、外見だけでは区別しにくい場合があります。
圧痛の位置を確認します
肩鎖関節脱臼では肩鎖関節そのものに強い圧痛が出ることがあります。
鎖骨骨折では鎖骨の途中や外側端など骨折部に強い骨性圧痛がみられます。
ただし、圧痛だけで確定することはできません。
転倒後に肩の変形や強い痛みがある場合には、レントゲンで骨折と脱臼の両方を確認することが重要です。
ほかに見分けたい肩の外傷
肩関節脱臼
肩鎖関節ではなく、上腕骨頭と肩甲骨の関節が外れる外傷です。
肩の輪郭が大きく変わり、腕をほとんど動かせなくなることがあります。
上腕骨近位端骨折
特に転倒した中高年以降では、肩鎖関節脱臼だけでなく上腕骨近位端骨折も考えます。
鎖骨遠位端骨折
肩鎖関節のすぐ近くで鎖骨が折れることがあります。
肩鎖関節脱臼と位置が近いため、画像検査による確認が重要です。
腱板損傷
転倒によって肩の腱板を同時に傷める場合があります。
特に骨折・脱臼が落ち着いた後も腕を上げにくい場合などでは、腱板を含めた再評価が必要になることがあります。
すぐに医療機関を優先したい症状
次のような場合には早めの評価が必要です
・肩が明らかに変形している
・鎖骨が皮膚を強く押し上げている
・皮膚が白く薄くなっている
・傷から骨が見えている
・腕をほとんど動かせない
・非常に強い痛みがある
・腕や手に強いしびれがある
・手が冷たい
・手の色が白い・紫色になる
・交通事故や高所転落など大きな外力が加わった
開放創、皮膚障害、骨折、神経・血管障害、高グレードの脱臼などが疑われる場合には、整骨院で経過を見るのではなく医療機関での処置を優先します。
肩鎖関節脱臼の検査
受傷機転を確認します
肩から直接落ちたのか、手をついたのか、接触プレーなのかなどを確認します。
肩鎖関節周囲を確認します
肩鎖関節の圧痛、腫れ、内出血、段差などを確認します。
腕の動きを確認します
受傷直後は無理に動かしませんが、状態に応じて腕をどこまで動かせるか確認します。
クロスボディ動作
腕を反対側の肩方向へ動かすと、肩鎖関節へ圧迫が加わり痛みが出る場合があります。
ただし受傷直後に強く行う必要はありません。
神経・血流を確認します
肩だけでなく、腕から手にかけての感覚や血流に問題がないか確認します。
レントゲン・CT・MRIの役割
レントゲン
肩鎖関節脱臼が疑われる場合にはレントゲンが基本的な画像検査になります。
肩鎖関節の位置関係や、鎖骨と烏口突起の距離、鎖骨骨折などがないか確認します。
Zanca view
肩鎖関節をより確認しやすくするため、通常とは少し角度を変えたZanca viewという撮影方法が用いられる場合があります。
軸位像
鎖骨が後方へずれるRockwoodⅣ型など、前後方向の位置関係を確認するために軸位方向の画像が重要になる場合があります。
CT
骨折を伴っている場合や複雑な外傷などではCTが検討されることがあります。
MRI
肩鎖関節脱臼の分類に必ず必要な検査ではありません。
靭帯や腱板など周囲の軟部組織損傷を詳しく確認する必要がある場合に使用されることがあります。
エコーで肩鎖関節脱臼は分かる?
肩鎖関節周辺を観察する参考になります
超音波画像観察装置(エコー)では、肩鎖関節周辺や表層の軟部組織を観察することができます。
左右差を見たり、周辺の状態を確認したりする参考になる場合があります。
しかし、Rockwood分類や骨折、鎖骨の前後方向への転位などをエコーだけで正確に判断することはできません。
そのため「エコーで確認できたからレントゲンは不要」とは考えません。
肩鎖関節脱臼が疑われる場合には、整形外科でのレントゲンを基本として必要な画像検査につなげます。
肩鎖関節脱臼は保存療法で改善する?
RockwoodⅠ型・Ⅱ型
一般的には保存療法が中心になります。
受傷直後はスリングなどで肩を保護し、痛みが落ち着くにつれて段階的に肩の動きを戻します。
RockwoodⅢ型
保存療法が選択されるケースも多くあります。
近年の研究でも、急性Ⅲ型に対して手術療法が保存療法より長期的な肩機能で明確に優れるとは限らないことが報告されています。
一方、保存療法を行っても痛みや機能障害が強く残る場合には、後から手術が検討されることもあります。
固定だけで終わらないことが重要です
痛みが強い初期には肩を保護しますが、その後は状態に合わせて、
・肩関節可動域
・肩甲骨の動き
・腱板筋力
・肩甲骨周囲筋力
・押す・引く動作
を戻していきます。
肩鎖関節脱臼の保存療法は、「三角巾をして痛みがなくなるのを待つだけ」ではありません。
肩鎖関節脱臼で手術が検討される場合
RockwoodⅣ〜Ⅵ型
大きな転位を伴う高グレード損傷では、整形外科で手術を含めた治療方針が検討されます。
保存療法で症状が残るⅢ型
保存療法後も、
・強い痛み
・不安定感
・肩甲骨の機能障害
・仕事への支障
・競技への支障
などが続く場合には手術が検討されることがあります。
皮膚への圧迫が強い場合
鎖骨が大きく突出し、皮膚を強く圧迫しているような場合にも専門的な評価が重要です。
手術方法は一つではありません
肩鎖関節脱臼には、
・烏口鎖骨間を安定させる方法
・靭帯再建
・ボタンや人工靭帯などを使用する方法
・その他の固定法
など多数の手術方法があります。
どの方法が適しているかは、急性・慢性、脱臼の程度、患者様の年齢・活動レベルなどによって異なります。
マッサージだけで改善しにくい理由
肩鎖関節を支える靭帯を傷めているからです
肩鎖関節脱臼では、僧帽筋や三角筋が張っているだけではありません。
肩鎖靭帯や烏口鎖骨靭帯など、関節を支える構造そのものが損傷しています。
そのため筋肉をマッサージして一時的に楽になっても、損傷した靭帯や肩帯の安定性そのものが元へ戻るわけではありません。
肩甲骨の動きも変わる場合があります
肩鎖関節の位置関係が変わると、肩甲骨が腕の動きに合わせてスムーズに動きにくくなる場合があります。
その結果、
・肩が疲れやすい
・腕を上げにくい
・投げると痛い
・肩甲骨周辺が張る
といった症状につながることがあります。
周囲の筋肉をほぐすだけではなく、肩関節と肩甲骨をもう一度協調して使えるようにすることが重要です。
すぎやま鍼灸整骨院の肩鎖関節脱臼への対応
受傷状況を確認します
肩から直接落ちたのか、接触があったのか、手をついたのかなどを確認します。
肩鎖関節の状態を確認します
圧痛、腫れ、出っ張り、左右差を確認します。
骨折などが疑われないか確認します
鎖骨骨折、上腕骨近位端骨折、肩関節脱臼なども考えて状態を確認します。
必要な場合は整形外科へご案内します
肩鎖関節脱臼ではRockwood分類によって治療方針が変わるため、レントゲンによる評価が重要です。
国家資格者として、肩の出っ張りを整骨院だけで判断して押し戻そうとするのではなく、必要な画像検査へつなぐことを大切にしています。
医師の治療方針に沿ってリハビリします
保存療法・術後ともに、肩鎖関節の状態や医師からの運動許可を確認しながらリハビリを進めます。
肩甲骨まで含めて動きを戻します
腕を上げるには肩関節だけでなく、肩甲骨や鎖骨の動きも必要です。
そのため肩甲骨周囲筋や腱板まで含めて段階的に機能を回復させます。
肩鎖関節脱臼から回復するまでの流れ
初期|肩鎖関節を保護する
受傷直後はスリングなどを使用して肩鎖関節へ加わる負担を減らします。
必要な画像検査を行い、保存療法・手術療法の方針を決めます。
回復初期|痛みのない範囲から肩を動かす
医師の治療方針に沿って、肩鎖関節へ過度なストレスを加えない範囲から肩の運動を開始します。
可動域回復期|腕を上げられる範囲を広げる
肩の前方挙上、外転、外旋などを段階的に戻します。
肩甲骨機能回復期|肩甲骨を安定させる
肩甲骨を支える筋肉がうまく働くようにトレーニングします。
筋力回復期|押す・引く力を戻す
肩鎖関節の状態を確認しながら、
・チューブ運動
・ローイング動作
・軽いプッシュ動作
・荷物を持つ動作
へ進みます。
荷重回復期|手をつく動作へ戻す
スポーツや仕事によっては、腕立て伏せのように上肢へ体重をかける能力が必要です。
壁へ手をつくところから始め、徐々に負荷を上げます。
スポーツ復帰期|競技特有の負荷へ戻す
ラグビー・アメリカンフットボール
ランニングだけでなく、肩への接触、タックル、転倒などへ耐えられる状態が必要です。
野球・投球競技
軽い投球から開始し、距離・強度を上げながら肩鎖関節に痛みが出ないか確認します。
自転車競技
ハンドルへ体重をかける動作や、長時間上肢で身体を支える能力まで戻します。
筋力トレーニング
腕立て伏せ、ベンチプレス、ショルダープレスなどは肩鎖関節へ大きな負荷がかかるため、軽い負荷から徐々に戻します。
「走れるから復帰」「痛みがなくなったから試合へ戻る」では不十分です。
可動域、肩の筋力、肩甲骨のコントロール、押す・引く動作、競技特有の接触や荷重まで確認して復帰を進めます。
スポーツ復帰は何週間でできる?
日数だけでは判断しません
肩鎖関節脱臼のスポーツ復帰時期は、Rockwood分類、保存療法か手術療法か、競技内容などによって大きく異なります。
手術後の競技復帰についても、研究では時期に幅があり、現在も統一された基準は十分に確立されていません。
そのため、
・安静時痛がない
・肩鎖関節の圧痛が落ち着いている
・可動域が戻っている
・十分な筋力がある
・肩甲骨を安定して動かせる
・競技動作で痛みがない
・接触競技なら衝撃へ対応できる
などを確認して復帰を判断することが重要です。
「○週間経ったから復帰」ではなく、その競技に必要な肩の機能が戻っているかを確認します。
肩鎖関節脱臼後に出っ張りが残っても大丈夫?
見た目の段差が残るケースがあります
保存療法後に肩鎖関節周囲の段差が完全には元へ戻らないことがあります。
しかし、見た目の変化が残っていても痛みが少なく、十分な肩機能を取り戻して日常生活・スポーツへ復帰する方もいます。
見た目より機能を確認します
確認したいのは、
・痛み
・可動域
・筋力
・肩甲骨の動き
・疲労感
・競技や仕事での支障
です。
一方、出っ張りとともに痛みや機能障害が長く続く場合には、慢性的な肩鎖関節不安定性などについて再評価が必要になることがあります。
肩鎖関節脱臼の症例例
症例例①|高校生男性・ラグビー
受傷状況:試合中にタックルを受け、右肩から地面へ強く転倒しました。
主な症状:肩鎖関節部に強い圧痛があり、腕を上げると肩の上へ痛みが出る状態でした。
初回時:肩鎖関節脱臼と鎖骨骨折などを考え、整形外科でのレントゲン検査を優先しました。
その後:保存療法の方針となり、初期は肩を保護しました。
リハビリ:医師の許可に沿って可動域を戻し、肩甲骨周囲筋、腱板、押す・引く動作へ段階的に進めました。
競技復帰:ランニング、パス、上肢トレーニング、軽い接触練習から進み、肩への接触に対応できることを確認して復帰を目指しました。
コンタクトスポーツでは「肩を上げられる」だけでなく、再び肩へ衝撃が加わることを想定した復帰が必要です。
※症例例です。実際の治療方法・回復期間には個人差があります。
症例例②|40代男性・自転車転倒
受傷状況:自転車走行中に転倒し、左肩から路面へ落ちました。
主な症状:肩の上に段差があり、腕を前へ上げると肩鎖関節周囲に痛みが出る状態でした。
対応:肩鎖関節脱臼の程度や骨折の有無を確認するため、整形外科での画像検査をご案内しました。
その後:医師の治療方針に沿って保存療法を行い、肩の痛みが落ち着いてから可動域・肩甲骨機能を回復させました。
生活復帰:仕事での荷物運搬、長時間のパソコン作業、自転車のハンドルへ荷重する動作まで段階的に戻しました。
肩鎖関節脱臼では、競技選手だけでなく仕事・趣味でどこまで肩を使いたいのかも治療目標として重要です。
※症例例です。実際の治療方法・回復期間には個人差があります。
国家資格者として肩鎖関節脱臼で大切だと考えること
「出っ張っているか」だけで判断しないこと
肩鎖関節脱臼では見た目の変形に目が行きやすいですが、本当に確認したいのは、
どのような外力が加わったか。
鎖骨骨折を伴っていないか。
Rockwood分類ではどの程度か。
神経・血流に問題はないか。
手術を検討すべき状態ではないか。
という部分です。
治療後は肩甲骨まで含めて考えること
その後は、
腕を痛みなく上げられるか。
肩甲骨がスムーズに動くか。
押す・引く力は戻っているか。
手をついて身体を支えられるか。
競技で肩へ衝撃が加わっても対応できるか。
まで確認する必要があります。
当院では、必要な画像検査や手術判断は医療機関へつなぎ、その後に患者様がまた肩を普通に使い、仕事やスポーツへ戻れるところまでサポートすることを大切にしています。
よくある質問
Q.肩鎖関節脱臼とはどこが外れているのですか?
A.鎖骨の外側と肩甲骨の肩峰でつくられる肩鎖関節の位置関係が崩れた状態です。肩鎖靭帯や烏口鎖骨靭帯などを損傷します。
Q.肩の上が出っ張っていたら肩鎖関節脱臼ですか?
A.肩鎖関節脱臼でみられる特徴の一つですが、鎖骨骨折などでも変形することがあります。レントゲンによる確認が重要です。
Q.出っ張っている鎖骨を押せば元へ戻りますか?
A.自己判断で強く押し戻すことはおすすめしません。靭帯損傷や骨折の状態を確認し、医師の治療方針に沿って対応します。
Q.RockwoodⅠ型・Ⅱ型は手術になりますか?
A.一般的には保存療法が中心です。痛みをコントロールしながら肩を保護し、その後段階的にリハビリを進めます。
Q.RockwoodⅢ型は手術した方がいいですか?
A.必ずしも手術が優れるとは限りません。近年の研究でも長期機能に明確な差が出ない報告があります。競技・仕事・症状・不安定性などを含めて個別に検討します。
Q.肩の出っ張りは元に戻りますか?
A.保存療法では多少の段差が残ることがあります。ただし、見た目の段差があっても十分な肩機能を取り戻すケースがあります。
Q.出っ張りが残るとスポーツできませんか?
A.必ずしもそうではありません。痛み、可動域、筋力、肩甲骨機能、競技動作などを確認して復帰を判断します。
Q.マッサージで肩鎖関節脱臼は戻りますか?
A.戻りません。マッサージで周囲の筋緊張が楽になることはありますが、損傷した靭帯や鎖骨・肩甲骨の位置関係を元に戻す治療ではありません。
Q.いつから肩を動かした方がいいですか?
A.損傷の程度や治療方法によって異なります。初期は保護が必要ですが、医師の許可に沿って段階的に可動域を戻します。
Q.腕立て伏せはいつからできますか?
A.痛みがなくなっただけでは判断しません。肩鎖関節への荷重に耐えられるか確認し、壁への荷重など軽い段階から徐々に進めます。
Q.スポーツ復帰までどのくらいですか?
A.Rockwood分類、保存療法・手術療法、競技によって異なります。特にコンタクトスポーツでは、可動域・筋力だけでなく接触へ耐えられる状態まで確認します。
Q.健康保険は使えますか?
A.スポーツ中の転倒や接触など受傷原因が明確な外傷では健康保険の対象となる場合があります。肩鎖関節脱臼は脱臼に該当するため、整骨院で応急処置後に継続して施術する場合には、原則として医師の同意・連携が必要になります。状態を確認してご案内します。
肩鎖関節脱臼・骨折後の肩の痛みについて相談したい方へ
上尾市・久喜市・さいたま市の各院でご相談いただけます。必要な画像検査・専門的治療は医療機関へつなぎ、その後のリハビリやスポーツ復帰までサポートします。
上尾市・久喜市・さいたま市で肩鎖関節脱臼にお悩みの方へ
肩の出っ張りだけではなく、その先の生活まで考えます
肩鎖関節脱臼では、受傷直後の強い痛みが落ち着いた後も、
「肩の出っ張りが気になる」
「腕立て伏せで肩が痛い」
「肩が疲れやすくなった」
「投げると痛い」
「もう一度ぶつかるのが怖い」
といったお悩みが残ることがあります。
だからこそ、すぎやま鍼灸整骨院では、
肩鎖関節脱臼はどの程度だったのか。
骨折などを伴っていないか。
医師からどこまで運動を許可されているか。
肩の可動域は戻っているか。
肩甲骨はスムーズに動いているか。
押す・引く力は戻っているか。
仕事やスポーツへ必要な負荷に耐えられるか。
を一つずつ確認します。
上尾市・久喜市・さいたま市のすぎやま鍼灸整骨院では、国家資格者が状態を確認し、肩鎖関節脱臼が疑われる場合には整形外科でのレントゲンなどをご案内します。
その後は医師の治療方針に沿いながら、肩関節、肩甲骨、腱板、体幹まで含めて身体機能を回復させ、日常生活・仕事・スポーツへの復帰を段階的にサポートします。
目標は「肩の痛みがなくなること」だけではありません。また腕を上げ、物を持ち、手をつき、投げ、患者様がやりたい生活やスポーツへ戻れる肩を目指します。
上尾市・久喜市・さいたま市で、肩鎖関節脱臼、肩鎖関節の痛み、肩の出っ張り、スポーツ復帰、肩鎖関節脱臼後のリハビリでお困りの方は、すぎやま鍼灸整骨院へご相談ください。
執筆・監修:すぎやま鍼灸整骨院 国家資格者
※肩鎖関節脱臼の治療方法、手術の必要性、固定期間、リハビリ、スポーツ復帰までの期間には個人差があります。骨折、高グレード脱臼、神経・血管障害などが疑われる場合には医療機関での画像検査・診断・治療を優先します。















