突き指(掌側板損傷)

  • 指の痛みが続く
  • 腫れが引かない
  • 指が曲がらない
  • 握力が低下した
  • 日常動作が困難

突き指(Jammed Finger)は、指先に強い力が加わることで関節や靭帯が損傷するケガです。その中でも、掌側板損傷(しょうそくばんそんしょう)は、指の掌側にある関節の安定性を保つ重要な構造が損傷する状態です。以下に突き指(掌側板損傷)について詳しく説明します。

掌側板の解剖と役割|上尾市-さいたま市北区土呂/宮原すぎやま鍼灸整骨院

  • 掌側板
    • 掌側板は、指の関節の掌側(手のひら側)にある厚い線維軟骨の板状構造です。主に中手指節関節(MP関節)と近位指節間関節(PIP関節)に存在します。
    • 掌側板は、関節の過度な伸展を防ぎ、関節の安定性を保つ役割を果たしています。また、指の運動をスムーズにするための支持構造としても機能します。

突き指(掌側板損傷)の原因

掌側板損傷は、以下のような状況で発生することが一般的です:

  1. スポーツ活動
    • バスケットボールバレーボール:ボールが指先に直接当たることで、関節が過度に伸展され掌側板が損傷します。
    • 野球:キャッチャーや内野手がボールを捕る際に指先に強い力が加わり、掌側板が損傷することがあります。
  2. 日常生活の事故
    • 転倒や衝突:手をついた際に指が過度に伸展されることで掌側板が損傷します。
    • 物を扱う際の事故:重い物を持ち上げたり、指を挟んだりすることで損傷が発生することがあります。

突き指(掌側板損傷)の症状

掌側板損傷の主な症状は以下の通りです:

  1. 指の痛み
    • 関節の掌側に鋭い痛みが生じます。特に指を伸ばしたり曲げたりすると痛みが増強します。
  2. 腫れ
    • 関節周囲に腫れが生じ、触れると痛みが増します。
  3. あざ
    • 内出血が発生し、関節周囲に青紫色のあざが見られることがあります。
  4. 関節の可動域制限
    • 痛みや腫れのために指の動きが制限され、特に指を完全に伸ばすことが難しくなります。
  5. 関節の不安定感
    • 掌側板が損傷すると関節の安定性が低下し、指が不安定に感じることがあります。

 

突き指・掌側板損傷になりやすい人|上尾市-さいたま市北区土呂/宮原すぎやま鍼灸整骨院

突き指掌側板損傷は、指に発生する一般的なケガです。これらのケガになりやすい人々には特定のリスク要因があります。以下に、突き指および掌側板損傷になりやすい人々の特徴を詳しく説明します。

突き指・掌側板損傷になりやすい人

  1. スポーツ選手
    • バスケットボール選手:ボールをキャッチする際に指先に強い力が加わることが多く、突き指や掌側板損傷のリスクが高まります。
    • バレーボール選手:スパイクやブロックで指先に強い衝撃が加わることが多く、突き指や掌側板損傷が発生しやすいです。
    • 野球選手:キャッチャーや内野手など、頻繁にボールをキャッチするポジションの選手が突き指や掌側板損傷のリスクを持ちます。
    • サッカー選手:ゴールキーパーがボールをキャッチする際に指を突き指しやすいです。
    • ラグビーやアメリカンフットボール選手:接触プレー中に指を突き指することがあります。
  2. 仕事で手を多用する人
    • 建設作業員:重い物を持ち上げたり、工具を使ったりする作業中に突き指や掌側板損傷が発生することがあります。
    • 配達員:荷物を持ち運ぶ際に指をぶつけたり、突き指するリスクが高まります。
    • 工場労働者:機械操作中に指を突き指するリスクがある仕事です。
  3. 日常生活で指を使う人
    • 家庭での作業:掃除や料理など、家庭内で指を使う機会が多い人は、指をぶつけることで突き指や掌側板損傷のリスクがあります。
    • 趣味で手を使う人:ガーデニングやDIYなど、手を多用する趣味を持つ人も突き指や掌側板損傷のリスクがあります。
  4. 子供
    • 活発に遊ぶ子供は、転倒や衝突によって突き指や掌側板損傷をすることが多いです。特にスポーツ活動や遊びの中での事故が原因となることが多いです。
  5. 高齢者
    • 骨密度の低下:加齢に伴い骨密度が低下しやすく、指の腱や骨が損傷しやすくなります。
    • 筋力低下:加齢に伴い筋力が低下し、指のケガが発生しやすくなります。
    • 反射神経の低下:高齢者は反射神経が鈍くなり、突発的な動作で指をぶつけることが多くなります。

リスクを減らすための予防策

  1. 適切なスポーツ用具の使用
    • 指を保護するためのサポーターやテーピングを使用し、ケガのリスクを軽減します。
  2. 正しいフォームの習得
    • スポーツや作業において、正しいフォームや技術を習得することで、指に過度な負荷がかかるのを防ぎます。
  3. 適切な休息とストレッチ
    • 指の筋肉や靭帯を柔軟に保つために、適切な休息とストレッチを行います。
  4. 環境の整備
    • 家庭や職場での作業環境を整え、指をぶつけるリスクを減少させます。
  5. 骨の健康を保つ
    • 骨密度を維持するために、カルシウムやビタミンDを豊富に摂取し、適度な運動を行います。

 

突き指や掌側板損傷の治療|上尾市-さいたま市北区土呂/宮原すぎやま鍼灸整骨院

上尾市・さいたま市北区土呂宮原すぎやま鍼灸整骨院では、突き指や掌側板損傷の患者様に対して、総合的で専門的な治療を提供しています。以下に、突き指および掌側板損傷の治療手段を詳しくご紹介します。

1. 初診と評価

問診と視診
  • 症状の発生状況痛みの部位経過について詳しく聞きます。
  • 指の形状や腫れ、変形の有無を確認します。
触診
  • 指の関節や靭帯の状態を確認します。特に腫れや圧痛の有無をチェックします。
画像診断
  • X線検査:骨折が疑われる場合に行い、骨の状態を確認します。
  • MRI検査:掌側板の損傷の程度を詳細に評価するために行うことがあります。

2. 保存療法

安静とアイシング
  • 初期には指を安静にし、アイシングを行って腫れや痛みを抑えます。アイシングは1回20分を目安に行います。
固定
  • スプリントテーピングで指を固定し、関節や靭帯の治癒を促進します。固定期間は通常2〜4週間です。
抗炎症薬の使用
  • 痛みや腫れを抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用することがあります。

3. 手技療法

筋肉のほぐし
  • 指や前腕の筋肉をほぐし、緊張を緩和します。これにより、血行が良くなり、回復が促進されます。
ストレッチ
  • 指や前腕の筋肉や靭帯をストレッチし、柔軟性を高めます。適切なストレッチを行うことで、関節の動きをスムーズにします。
関節の調整
  • 関節の動きをスムーズにするための調整を行います。手首や指の関節を適切に動かすことで、関節の安定性を向上させます。

4. 鍼灸治療

鍼治療
  • 鍼治療は、痛みの緩和と血行促進に効果があります。指や前腕のツボに鍼を刺すことで、痛みを和らげ、炎症を軽減します。
灸治療
  • 灸治療は、温熱効果で血行を促進し、痛みや炎症を緩和します。

5. 電気治療

低周波治療
  • 筋肉に低周波の電流を流し、筋肉を収縮・弛緩させることで、血行を促進し、痛みを軽減します。
中周波治療
  • 中周波の電流を使って、深部の筋肉や神経に刺激を与え、痛みを和らげます。

6. テーピング療法

テーピング
  • テーピング療法は、筋肉や関節のサポートを目的として行われます。適切なテーピングを行うことで、関節の安定性を保ち、炎症を抑えます。

7. リハビリテーション

可動域回復エクササイズ
  • 指や前腕の可動域を回復させるためのエクササイズを行います。これにより、関節の柔軟性が向上します。
筋力強化エクササイズ
  • 指や前腕の筋力を強化するためのトレーニングを行います。軽い負荷をかけた運動や抵抗運動を通じて、筋力を回復させます。
動作改善エクササイズ
  • 日常生活での動作を改善するためのエクササイズを行います。適切な動作を身につけることで、指の負担を軽減し、再発を防ぎます。

8. 栄養指導

栄養指導
  • 突き指や掌側板損傷の回復には、適切な栄養が重要です。バランスの取れた食事の指導も行っています。特に、骨の健康を保つためのカルシウムやビタミンD、炎症を抑えるオメガ3脂肪酸などを豊富に摂ることが大切です。

9. 生活指導

生活指導
  • 日常生活での注意点や、指に負担をかけない動作方法についてもアドバイスします。以下の点に注意しましょう。
    • 手を過度に使わない:手や前腕を過度に使う動作を避け、適度な休息を取るように心がけます。
    • 正しい姿勢と動作:手を無理な角度で曲げないようにし、正しい姿勢と動作を心がけます。
    • 適切な道具の使用:適切な道具を使用することで、指への負担を軽減します。例えば、作業時には適切なグローブを使用し、手を保護します。