
膝内側側副靭帯(MCL:Medial Collateral Ligament)は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)をつなぐ強靭な靭帯で、膝関節の内側に位置しています。
MCLの主な役割は、膝関節に外側からの力(外反ストレス)が加わったときに、それに対抗して膝が内側に崩れるのを防ぐことです。
特に、膝が内側に折れそうになる動きや、横からの衝撃に対して重要な安定装置として機能しています。
膝内側側副靭帯(MCL)について少し詳しい話
構造的には、MCLは浅層と深層の2つの部分から成り立っており、浅層は大腿骨の内側顆から脛骨の内側面にかけて広がり、深層は関節包や内側半月板とも密接に連結しています。
このため、MCLの損傷は単独損傷だけでなく、内側半月板損傷や前十字靭帯(ACL)損傷と合併するケースもあります。
また、MCLは比較的血流が豊富な靭帯の一つであるため、他の靭帯に比べて自然治癒能力が高く、適切な保存療法により良好な回復が期待できます。
しかし、靭帯が緩んだまま治癒してしまうと、膝関節の不安定性が残り、将来的な再損傷や軟骨の摩耗、変形性膝関節症のリスクを高めるため、正確な診断と段階的なリハビリが重要となります。
膝内側側副靭帯(MCL損傷)はなぜ起こるのか
この靱帯は、膝が不安定にならないように、外に開こうとする動きを止めるベルトのような役割をしています。MCL損傷は、こんな場面でよく起こります👇
✅ 横から押される強い力
例)サッカーで相手が膝の外側にぶつかってくる、ラグビーや柔道のタックルなど…
膝が外側から押されると、すねの骨が内側に動こうとし、そのときに内側の靱帯が引き伸ばされて傷むのです。
✅ 膝が少し曲がった状態
膝がピンと伸びていると、骨どうしが噛み合って安定しています。
でも、少し曲げた状態(20~30度くらい)になると、靱帯への負担が大きくなるため、損傷しやすいです。
✅ ひねりの動きが加わる
膝が押されるだけでなく、同時にすねの骨が外にねじれると、さらに靱帯に負荷がかかりやすくなります。
スキーやサッカーなど、体が回転する動きが多いスポーツではこれがよく起こります。
✅ まとめ
簡単にいうと、
膝が曲がった状態で外から強く押されたり、同時にひねられると、内側の支えのベルト(MCL)が伸ばされて傷む
この動きがMCL損傷の原因です。
膝内側側副靭帯損傷の主な症状

膝内側側副靭帯損傷(MCL損傷)の症状は、損傷の程度(グレード)によって異なります。靭帯がどれほど伸ばされたか、あるいは断裂しているかにより、臨床的な対応も変わります。
Grade 1(軽度)
靭帯が過伸展している(伸びきっている)状態で、微細な損傷。膝の内側に圧痛があるが、関節の不安定感は少なく、日常生活にはほとんど支障がない。腫れはほとんど見られません。
Grade 2(中等度)
靭帯の部分断裂。圧痛と腫れが明確に現れ、膝の内側に不安定感を覚える。歩行や階段昇降での違和感が強く、関節の可動域も制限されるケースが多い。
Grade 3(重度)
靭帯の完全断裂。膝関節が大きく不安定になり、自力歩行が困難になることも。しばしば他の靭帯損傷や半月板損傷を伴う。
損傷が進行すると、動作のたびに膝の内側に「ズキッ」とした痛みが走ることがあります。また、膝が“抜ける”ような感覚や、踏ん張りがきかないといった不安定性が顕著になります。

階段の昇り降りや正座・しゃがみ込みといった動作が難しくなるだけでなく、腫脹が強い場合は膝の輪郭が見えないほど腫れることもあります。重度では内出血による皮下出血(アザ)が内側から下腿部に広がるケースもあります。
このような症状を放置すると、靭帯の緩みが慢性化し、将来的に変形性膝関節症を引き起こす原因となります。また、関節を守るために無意識にかばった歩き方が癖になり、股関節や腰、反対側の膝への負担が増えることも少なくありません。
早期の正確な評価と、段階的な施術・リハビリが極めて重要です。
【MCL損傷(内側側副靭帯損傷)を放っておくとどうなる?】
交通事故・スポーツ・日常動作の中で膝に外側から力が加わり、内側にグッと押し込まれるような形で発生するMCL損傷。
「ちょっと痛いだけだし、歩けるから大丈夫」と思って何もせず放置してしまうと、思わぬ後遺症を招くリスクがあります。
① 関節の不安定性が慢性化する
MCLは、膝の内側を守る大切な靭帯です。外側から力が加わっても膝が内側に崩れないよう支えるストッパーの役割を果たしています。
これを損傷し、適切な治療を行わないと…
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階段や坂道で「膝が抜ける感じ」
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ふとした瞬間に「グラッ」と膝が揺れる
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スポーツ再開後に「踏ん張れない・怖い」
といった不安定感が慢性的に残る可能性があります。
膝の中のバランスを保つ“柱”が折れたままになっているような状態で、時間が経っても自然に戻るとは限りません。
② 半月板や関節軟骨にダメージが蓄積する
靭帯が弱くなると、膝の動きが「ズレたまま」使われ続けます。
するとどうなるか?
最初は痛くなかったのに、時間が経ってから強い痛みや可動域制限が出るケースも多くあります。
③ 他の靭帯や関節への負担が増える
膝関節は、靭帯同士が協調して安定性を保っています。
MCLの機能が落ちた状態で膝を使い続けると、その代償をACL(前十字靭帯)やLCL(外側側副靭帯)が負わされ、結果として
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複数の靭帯損傷
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半月板断裂の合併
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動作時の痛みが複雑化(荷重時痛・ねじれ時痛)
といったより重度な膝障害に発展する危険性があります。
④ 筋力バランスと姿勢が崩れる
膝が不安定だと、体は無意識にバランスを取ろうとします。
その結果として:
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大腿四頭筋(太ももの前)ばかりに頼る動き
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反対脚に偏った荷重
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股関節や骨盤の動きが制限される
などが連鎖し、次第に
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慢性的な腰痛
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股関節の違和感
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足首のねんざを繰り返す
など“膝以外の不調”として波及するケースも少なくありません。
⑤ 「もう治らないかも」と諦めの気持ちに…
見た目には腫れや変形がないことも多いMCL損傷。
でも、
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膝に違和感が残る
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体重をかけるとグラつく
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階段が不安で避けてしまう
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スポーツが怖くて楽しめない
など、日常生活や精神面にも影響を与えることが多く、適切な治療を受けないと「もう治らないかも…」とあきらめがちに。
すぎやま鍼灸整骨院でのアプローチ
評価:損傷の見極めと原因分析

膝内側側副靭帯損傷に対して、すぎやま鍼灸整骨院グループでは「評価」「炎症管理」「機能回復」「動作再教育」「再発予防」という5つのステップを軸に、一人ひとりの状態に応じた個別の施術プランを提案しています。
まず初めに、靭帯の損傷度(Grade 1〜3)を徒手検査やエコー(超音波画像)によって客観的に評価します。
さらに、日常生活での動き方や姿勢、歩行やランニング時のフォームなども観察し、損傷に至った背景や再発リスクの要因を分析します。
これにより、表面的な痛みの原因だけでなく、根本的な身体の使い方に対してもアプローチが可能となります。
炎症管理:急性期の対応

次に、急性期にはアイシング、圧迫、挙上を基本としたRICE処置を行い、炎症と腫脹を早期に抑えます。
痛みが強い場合には患部を包帯やテーピングで固定し、必要に応じて松葉杖などを用いて関節への荷重を軽減させます。
機能回復:手技によるリハビリ開始

炎症が落ち着いたあとは、関節の可動域改善と筋機能回復を目的とした手技療法を行います。
筋膜リリースや関節モビライゼーション、トリガーポイント療法などを駆使し、硬くなった筋肉や関節の動きを滑らかにします。
また、固有感覚を再構築する施術もこの段階で導入し、関節が正しく反応できる状態を整えます。
鍼灸治療:自然治癒力を引き出す

さらに、深部組織の血流促進や疼痛緩和を目的とした鍼灸治療を併用することで、自然治癒力を高め、より早期の回復を図ります。
炎症期や痛みが長引く症例では、鍼灸の補助的効果が大きく役立ちます。
運動療法・再発予防:動作の再教育と競技復帰支援

最後に、回復した関節を日常や競技に耐えうる状態へと導くため、運動療法およびメディカルトレーニングを実施します。
膝の安定性を担う中臀筋、大腿四頭筋、内転筋、ハムストリングスなどを中心に、正しい筋の使い方を習得していきます。また、片脚スクワットなどを用いた動的安定性トレーニングも行い、動きの中での制御能力を高めます。
さらに、歩き方や階段昇降、立ち座りなど日常動作の指導、職業別・年齢別に応じたセルフケアや生活指導も行い、「施術して終わり」ではなく、「再発させない身体づくり」を支えるトータルサポートを徹底しています。
膝内側側副靭帯損傷の完治まで|上尾市-久喜市-さいたま市北区土呂/宮原すぎやま整骨院
膝内側側副靭帯損傷の回復は、単に痛みが取れるだけでなく、膝の安定性と機能を完全に取り戻すことが重要です。そのため当院では、以下のような明確なステップを踏んで、完治までを丁寧にサポートしています。
急性期(受傷から1週間前後)

まず、急性期(受傷から1週間前後)では、炎症や腫れを抑えることが最優先となります。この段階ではRICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)を徹底し、必要に応じて包帯やサポーターで膝の安定を図ります。患部への不要な負荷を避け、靭帯の自然治癒を促す期間です。
RICE処置とは??

✅ R = Rest(安静)
ケガをした部位を動かさず、負担をかけないようにします。
無理に動かすと出血や腫れが悪化するので、まずはしっかり休ませることが大切です。
✅ I = Ice(冷却)
氷や冷却材で患部を冷やします。
冷やすことで血管が収縮し、腫れや炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。
1回20分程度を目安に冷却し、間隔をあけながら繰り返します。
✅ C = Compression(圧迫)
包帯やサポーターでやさしく圧迫します。
圧迫することで内出血や腫れを防ぎ、患部の安定を保てます。
ただし、強く締めすぎると血行障害を起こすので注意が必要です。
✅ E = Elevation(挙上)
心臓より高い位置に患部を上げます。
こうすることで血液や体液の循環が改善し、腫れの軽減を助けます。
枕やクッションを使って支えると楽に挙上できます。
回復初期(1〜3週目)

次に、炎症が落ち着いた回復初期(1〜3週目)では、関節の可動域を確保するための軽いストレッチや手技療法を行います。この時期に膝の動きが固まってしまわないようにすることが、今後の回復を左右します。Grade 1の場合はこの期間でかなりの改善が見込めます。
中期リハビリ(3〜6週目)

中期リハビリ(3〜6週目)では、筋力強化や固有感覚の再教育を目的に、運動療法を本格化させます。大腿四頭筋、内転筋、ハムストリングスなどの膝周囲筋を中心に、インナーマッスルの活性化やバランス能力の強化に取り組みます。Grade 2の場合はこの段階で運動復帰を視野に入れたトレーニングが始まります。
後期リハビリ(6週目以降〜)

後期リハビリ(6週目以降〜)では、ジャンプ動作、方向転換、段差の昇降といった負荷の高い動作訓練を実施し、膝関節の動的安定性を確実なものにしていきます。
Grade 3の重度損傷や手術後の方は、ここからさらに3ヶ月以上の長期的なリハビリが必要になる場合もあります。
当院では、この一連の回復ステップにおいて患者様の状態を毎回評価し、施術内容とリハビリ内容を柔軟に調整しています。
また、痛みが引いた後の「もう一歩先」のサポートとして、歩き方や姿勢の改善、セルフトレーニングの方法、日常での注意点までを丁寧に指導し、再発しない身体づくりを実現しています。
よくある質問
Q. 湿布と安静で治るの?
A. 一時的に痛みは軽減されますが、靭帯の緩みや筋力低下は改善されません。根本的な治癒には施術と運動療法が必要です。
Q. 整形外科と整骨院、どちらに行けばいい?
A. Grade 1〜2の損傷であれば整骨院の保存療法が有効です。Grade3の断裂が疑われる場合でも、や画像診断が必要かどうかを当院で精査させていただくため、一度ご来院頂ければと思います。必要に応じて整形外科と連携します。
Q. スポーツに早く復帰したいです。対応できますか?
A. 競技復帰に向けた段階的プログラムを提供しています。アジリティ・ジャンプ・方向転換などの実戦復帰訓練まで対応可能です。
Q. 高齢者や子どもでも治療できますか?
A. はい、年齢や体力に応じたアプローチを組み立て、安全かつ効果的に施術・リハビリを行います。
まとめ|上尾市-久喜市-さいたま市北区土呂/宮原すぎやま鍼灸整骨院

膝内側側副靭帯損傷は、「ただの膝の痛み」と放置してしまうと、将来的に膝のぐらつきや関節変形につながる重大な問題です。
すぎやま鍼灸整骨院グループでは、
- 精密な評価と丁寧な説明
- 科学的根拠に基づいた手技・鍼灸・運動療法
- 競技復帰・生活復帰までを見据えたトレーニング指導
を通じて、患者様の『安心して動ける膝』を取り戻すお手伝いをします。
他院で改善が見られなかった方や、症状を繰り返している方も、ぜひ一度当院にご相談ください。