内側側副靭帯損傷(野球肘)




- 投げると肘が痛い
- 握力が弱くなった
- 肘が腫れて曲がらない
- ボールが遠くに投げられない
- 日常生活で肘が痛む
すぎやま鍼灸整骨院グループでは、上尾市・久喜市・さいたま市の各院で、野球肘(内側側副靱帯損傷)に関するご相談に対応しています。痛む場所だけでなく、関節の安定性、可動域、筋力、フォームや歩行を確認します。必要に応じてエコー観察や医療機関への受診案内を行い、施術とリハビリで競技・日常生活への復帰を支援します。
内側側副靭帯損傷(野球肘)

「投げると肘の内側が痛い」
「ボールを強く投げた瞬間にズキッとする」
「投球後に肘が重い」
「以前より肘が伸びにくい」
「小指側にしびれを感じる」
このような症状がある場合、一般的に野球肘と呼ばれる状態が考えられます。
野球肘とは一つの病名ではありません。
投球動作を繰り返すことで、
- 肘の内側
- 肘の外側
- 肘の後ろ側
に起こるさまざまな障害をまとめて「野球肘」と呼んでいます。
「肘の内側が痛い=UCL損傷」とは限りません
特に小学生・中学生など成長期の選手では、内側側副靱帯だけでなく、内側上顆周辺の成長軟骨や骨への負担が関係している場合があります。年齢・痛む場所・投球歴などを確認して考えることが重要です。
一方、高校生以降や成人投手などでは、肘を支える内側側副靱帯(UCL)へ繰り返しストレスが加わり、UCL損傷につながることがあります。
上尾市・久喜市・さいたま市のすぎやま鍼灸整骨院では、単に「野球肘ですね」と決めつけるのではなく、
- 年齢
- ポジション
- 投球量
- 痛む場所
- 肘の可動域
- 筋力
- 肩・肩甲骨
- 胸椎
- 体幹
- 股関節
まで確認し、必要に応じてエコー観察を行います。
骨・軟骨・UCLの大きな損傷などが疑われる場合には、整形外科での画像検査をご案内します。
このページで分かること
- 野球肘とは何か
- 肘の内側が痛くなる仕組み
- UCLとは何か
- 成長期と成人の野球肘の違い
- 受診を急いだ方がよい症状
- エコー・レントゲン・MRIの役割
- 保存療法と手術について
- なぜマッサージだけでは不十分なのか
- 投球再開までの流れ
- 再発を防ぐために確認すること
野球肘は「投げすぎ」だけで起こるわけではありません
野球肘では投球量が重要な要因の一つです。
しかし、
「投げすぎ=すべての原因」
というわけではありません。
実際には、
- 投球量
- 連投
- 休養不足
- 疲労
- 肩の可動域
- 肩甲骨の動き
- 胸椎の回旋
- 体幹の安定性
- 股関節の動き
- 投球フォーム
などが複合して肘への負担が増えることがあります。
投球数を減らすことは重要ですが、「なぜ肘へ負担が集中したのか」まで確認することが、競技復帰後を考えるうえでは重要です。
内側側副靱帯(UCL)とは?

肘の内側には、関節を安定させる内側側副靱帯(UCL)があります。
ボールを投げるとき、肘には外側へ開こうとする外反ストレスが加わります。
UCLはこの外反ストレスに対して、肘を安定させる重要な役割を持っています。
投球を繰り返すことでこのUCLへ大きな負担が続くと、
- 靱帯の微細損傷
- 部分損傷
- 慢性的な緩み
- より大きな損傷
へつながる場合があります。
投球時のどのタイミングで負担がかかる?
特に、腕が前方へ加速し始める時期からボールリリース付近では、肘内側へ大きな外反ストレスがかかります。
この力をUCLだけで支えているわけではなく、前腕の筋肉なども肘の安定に関わっています。
そのため、UCLだけを見るのではなく、前腕・肩・肩甲骨・体幹まで確認する必要があります。
成長期の野球肘は成人のUCL損傷と同じではありません
これは野球肘ページで特に大切なポイントです。
小学生・中学生では、骨や成長軟骨がまだ成熟途中です。
この時期に投球による強い外反ストレスがかかると、UCLそのものだけではなく、靱帯が付着する内側上顆周辺へ負担がかかる場合があります。
成長期で考えること
- 内側上顆周辺の障害
- 裂離骨折
- 骨端線周辺の障害
- 離断性骨軟骨炎
などです。
小学生の肘内側痛を「UCLが切れている」と決めつけることも、「成長痛だから大丈夫」と済ませることも適切ではありません。
野球肘で出やすい症状
投球すると肘の内側が痛む

代表的なのは、ボールを強く投げたときに出る肘内側の痛みです。
選手によっては、
- ズキッとする
- 引っ張られる
- 鋭く痛む
- 力が抜ける
などと表現します。
最初は軽い違和感だけの場合もあります
初期には、
- 投げ始めだけ気になる
- 投球後だけ重い
- 肘の内側が張る
- 以前より球速を出しにくい
程度の場合があります。
肘の曲げ伸ばしに左右差が出る
肘が伸びにくい、曲がりにくい場合もあります。
ただし、肘の可動域制限はUCL損傷だけで起こるものではありません。
骨・軟骨・関節内病変なども含めて考える必要があります。
肘が不安定に感じる
UCLの大きな損傷などでは、投球時に肘が不安定に感じる場合があります。
小指・薬指側のしびれ

肘の内側には尺骨神経が通っています。
そのため、
- 小指がしびれる
- 薬指の小指側がしびれる
- 肘を曲げているとしびれる
- 投球するとビリッとする
場合には、尺骨神経への影響も確認します。
このような症状があれば早めに医療機関へ
- 投球時に強い痛みが走った
- 「ブチッ」とした感覚があった
- 投球できないほど痛い
- 肘が大きく腫れている
- 肘が伸びない・曲がらない
- 肘がロックする
- 強いしびれがある
- 握力が明らかに落ちた
- 小学生・中学生で肘の骨に強い圧痛がある
特に成長期では、骨・成長軟骨の障害を確認するため画像検査が必要になることがあります。
野球肘ではどのような検査をする?
問診
まず、
- いつから痛いのか
- どこが痛いのか
- 何球くらい投げているか
- 連投していないか
- ポジション
- 試合数
- 最近投球量が増えていないか
などを確認します。
肘の可動域
曲げ伸ばしに左右差がないか確認します。
圧痛
内側上顆、UCL周辺、前腕の筋肉、尺骨神経周辺など、どこに痛みが集中しているかを確認します。
肘の安定性
必要に応じて、肘へ外反ストレスを加えた際の痛みや不安定性を確認します。
成長期で骨損傷が疑われる場合などに、無理に強いストレスを加えることはありません。
エコーで野球肘を見る意味

すぎやま鍼灸整骨院では、必要に応じてエコーを使用します。
エコーでは、
- UCL周辺
- 内側上顆周辺
- 前腕筋群
- 関節周囲
などを観察するための参考にできます。
エコーは非常に有用な観察手段ですが、整骨院でのエコー観察だけでUCL損傷や骨軟骨障害を確定診断するわけではありません。必要な場合には整形外科でレントゲンやMRIなどの検査を受けていただきます。
野球肘・UCL損傷の保存療法
UCL周辺の症状があるからといって、すべて手術になるわけではありません。
損傷状態・年齢・競技レベルなどによっては、保存療法が選択されます。
投球量を調整する
痛みを我慢しながら同じ強度で投げ続けることはおすすめしません。
投球中止・投球制限の期間は一律ではなく、症状や損傷状態によって判断します。
肘周辺の状態を整える
回復段階に応じて、前腕や肩周囲のコンディショニングを行います。
全身を見直す
投球動作は、
足
↓
股関節
↓
体幹
↓
肩甲骨
↓
肩
↓
肘
↓
手
と全身が連動して行われます。
肘だけに頼って投げる状態にならないよう、身体全体を確認します。
どのような場合に手術が検討される?
UCL損傷で保存療法を行っても高い投球レベルへ戻ることが難しい場合や、競技特性、損傷状態などによっては手術が検討されることがあります。
内側側副靱帯再建術
いわゆるトミー・ジョン手術です。
身体の別の部位から腱を採取し、損傷したUCLを再建する方法です。
UCL修復術
損傷のタイプによっては、靱帯を修復する術式が検討される場合もあります。
「UCL完全断裂=必ずトミー・ジョン手術」と単純に決まるわけではありません。競技レベル・年齢・損傷部位・不安定性・本人の希望などを含めて整形外科医が判断します。
手術後はなぜ復帰まで時間がかかる?
UCL再建術後は、手術をしたらすぐ投げられるわけではありません。
再建組織が安定し、肘の可動域や筋力、肩・肩甲骨・体幹などの身体機能を戻し、さらに段階的な投球プログラムを進める必要があります。
特に投手の場合は全力投球へ戻るまで長期間を要することがあります。
復帰時期は手術方法・回復状態・ポジションなどで異なるため、「必ず1年」と一律に決めるものではありません。
すぎやま鍼灸整骨院で野球肘に対して行うこと

① 肘の状態を確認
圧痛・可動域・筋力・不安定感・しびれなどを確認します。
② 必要に応じてエコー観察
肘周囲の状態を確認するための参考として使用します。
③ 必要なら整形外科へ
成長期の骨障害やUCLの大きな損傷などが疑われる場合には、画像検査を優先します。
④ 肩・肩甲骨・胸椎を確認
肩だけでなく、肩甲骨や胸椎が十分に動いているかを確認します。
⑤ 股関節・体幹を確認
下半身から作った力を上半身へ伝えられているか確認します。
⑥ 状態に応じて施術

必要に応じて、
- 手技
- 物理療法
- 鍼灸
などを選択する場合があります。
ただし、これらは切れたUCLや骨障害そのものを元通りにする施術ではありません。
痛みや筋緊張、周辺の身体機能などに対する補助として使用します。
⑦ メディカルトレーニング
投球再開に向けて、
- 肩甲骨
- ローテーターカフ
- 体幹
- 股関節
- 下半身
- 片脚バランス
などを段階的にトレーニングします。
なぜマッサージだけでは野球肘が改善しにくいのか
肘の内側や前腕をマッサージすると、一時的に楽に感じる場合があります。
しかし、
- 投球量が多い
- UCLや骨へ負担がかかっている
- 肩甲骨が動かない
- 股関節が使えない
- 体幹が安定しない
- 疲労でフォームが崩れている
状態が残っていれば、再び肘へ負担が集中します。
国家資格者として大切にしていること
野球肘では、痛みを一時的に軽くすることだけではなく、何を傷めている可能性があるのか、今投げてよい状態なのか、投球再開までに何が足りないのかを整理することが重要です。
野球肘から投球復帰するまで
第1段階|痛みを出す投球を調整
まず、痛みを我慢しながら全力投球を続けることは避けます。
第2段階|肘の状態を確認
可動域・痛み・圧痛などを確認します。
第3段階|肩・肩甲骨・股関節を整える
肘を休ませている期間にも、肘へ負担が集中しにくい身体づくりを進めます。
第4段階|投球前の基礎動作
肩周囲の筋力、体幹、下半身などを確認します。
第5段階|軽いキャッチボール
医師の運動許可が必要な状態では、その許可を確認してから開始します。
第6段階|距離・強度を徐々に上げる
いきなり全力で投げず、短い距離・軽い強度から段階的に進めます。
第7段階|ポジション別の投球
投手・捕手・内野手・外野手では必要な投球量や強度が異なります。
第8段階|通常練習・試合へ
投球中だけでなく、投球後・翌日の肘の状態も確認します。
「痛くなくなったから全力投球」ではなく、段階的に投球負荷へ身体を適応させていくことが重要です。
自宅でできる野球肘予防
投球量・休養を管理する
野球肘予防で最も重要なことの一つが、投球負荷を管理することです。
痛みがある状態で「大会だから」「レギュラーだから」と投げ続けないようにします。
投球後のアイシングについて
投球後に痛みや熱感がある場合、短時間の冷却が症状を軽減する目的で使われることがあります。
すべての選手が投球後に必ず15〜20分冷やさなければ野球肘を予防できる、というものではありません。
冷却以上に、投球量・休養・痛みへの対応を適切に行うことが重要です。
前腕だけでなく肩・胸椎も動かす
前腕のストレッチだけでなく、
- 肩
- 肩甲骨
- 胸椎
- 股関節
など全身を動かすことが大切です。
疲れている時のフォームに注意する
疲労が強くなると、普段できている動きが崩れ、肘への負担が増える場合があります。
「少し変だな」を無視しない
肘の違和感、張り、可動域の変化を感じたときは、早めに投球量を調整します。
お子様の野球肘、どこへ相談すればいいか迷っている方へ
「投げると肘の内側が痛い」
「まだ投げられるけれど休ませるべき?」
「病院へ行った方がいい?」
「復帰まで何をすればいい?」
予約前の疑問も、LINE無料相談窓口からご相談いただけます。
※相談だけでも大丈夫です。ご相談後に必ず来院する必要はありません。
野球肘についてよくある質問
Q.野球肘になったら野球を諦めないといけませんか?
A.
一律に野球を続けられなくなるわけではありません。障害の種類や程度によって治療方法・復帰時期は異なります。必要な治療とリハビリを行い、段階的に復帰を目指します。
Q.肘の内側が痛ければUCL損傷ですか?
A.
必ずしもそうではありません。成長期では骨・成長軟骨、成人ではUCL・筋肉・尺骨神経など、さまざまな原因が考えられます。
Q.痛み止めを飲めば試合で投げてもいいですか?
A.
痛みが消えたことと、傷めた組織が回復したことは同じではありません。鎮痛薬を使用して投球してよいかは、自己判断せず医師へ相談してください。
Q.野球肘はピッチャーだけですか?
A.
いいえ。捕手・内野手・外野手でも投球を繰り返すため、野球肘になる可能性があります。
Q.エコーだけでUCL損傷が分かりますか?
A.
エコーはUCL周辺を観察する参考になりますが、それだけで確定診断するものではありません。必要に応じて医療機関でMRIなどを行います。
Q.UCLが切れたら必ずトミー・ジョン手術ですか?
A.
必ずではありません。損傷部位、程度、競技レベル、年齢、症状などを総合して治療方法を決めます。
Q.手術後はどれくらいで投げられますか?
A.
術式、回復状態、ポジションなどで異なります。医師・リハビリ担当者の指示に沿って、段階的に投球を再開します。
Q.マッサージで野球肘は良くなりますか?
A.
筋緊張が軽くなる場合はありますが、UCL損傷や骨障害そのものがマッサージで修復するわけではありません。何を傷めているか確認することが先です。
Q.投球を休んでいる間にできることはありますか?
A.
状態に応じて、下半身・体幹・肩甲骨などのトレーニングができます。投げられない期間を全身機能を見直す時間にすることも大切です。
上尾市・久喜市・さいたま市で野球肘にお悩みの方へ

野球肘で最も避けたいのは、
「まだ投げられるから大丈夫」
「大会が終わるまで我慢する」
「少し揉めば良くなる」
と、何を傷めているのか分からないまま投球を続けることです。
野球肘は、
- 年齢
- 痛む場所
- 骨の成熟度
- 投球量
- ポジション
- 身体の使い方
によって考え方が変わります。
すぎやま鍼灸整骨院では、
- 肘の状態確認
- 必要に応じたエコー観察
- 医療機関への受診案内
- 肩・肩甲骨・胸椎・体幹・股関節の評価
- メディカルトレーニング
- 段階的な投球復帰
までサポートします。
目標は「今日だけ痛みなく投げられること」ではありません。
これから先も野球を続け、自分の身体を理解しながら安心して投げられる状態をつくることを大切にしています。
この記事の執筆・監修
柔道整復師(国家資格) 平本 龍也
野球肘では、「肘の内側が痛い=UCL損傷」と決めつけないことが重要です。特に成長期では骨・成長軟骨の障害を含めて考え、必要な場合には医療機関での画像検査を優先します。そのうえで、肘だけでなく肩・肩甲骨・体幹・股関節などを確認し、段階的な投球復帰をサポートします。












