棚障害(滑膜ヒダ)

  • 長時間の運動後に膝が腫れたり、動かしにくくなる
  • MRIやレントゲンでは異常なしとされたが症状が改善しない
  • スポーツでの膝の使いすぎで慢性的に膝が痛い
  • 階段の上り下りで膝に引っかかるような違和感がある
  • 正座や立ち上がり時に膝の内側が痛む

【膝の引っかかりや違和感、それ「棚障害」かもしれません】

それは「棚障害(たなしょうがい)」の可能性があります。棚障害とは、膝関節内の滑膜ヒダ(=棚)が繰り返しの負荷や炎症により肥厚し、周囲の組織に引っかかったり擦れたりすることで痛みや違和感を引き起こす症状です。

上尾市・久喜市・さいたま市北区土呂/宮原すぎやま鍼灸整骨院グループでは、この棚障害に対し、患部だけでなく姿勢や身体の使い方も含めて根本改善を目指します。私たちは「もう治らない」と諦めていた方にも、改善の道筋を共に探し、しっかりとサポートいたします。

【棚障害(滑膜ヒダ)とは?その原因とメカニズム】

▶ 滑膜ヒダとは

滑膜ヒダ(synovial plica)は、膝関節内に存在する膜状の組織で、本来は胎児期に存在し、成長とともに小さくなるものです。しかし一部の人では退縮しきらずに残ることがあり、これが特定の条件で問題を起こす原因となります。

▶ 発症の仕組み

滑膜ヒダが過度の運動や外部からのストレスを受けると、その部位が肥厚し、膝の曲げ伸ばしの際に大腿骨や膝蓋骨(お皿)などの構造と接触します。その摩擦により、滑膜に炎症が起こり、痛みや違和感を生じるようになります。

▶ 症状が出る流れ

初期段階では「なんとなく引っかかる感じ」や「膝がスムーズに動かない」といった感覚があり、放置して運動を続けることで炎症が強まり、膝の内側にピンポイントな痛みや腫れを伴うようになります。また、滑膜ヒダが関節内で挟み込まれるようになると、膝関節の動作そのものにロック感や異音が出てくることもあります。

▶ 慢性化と二次障害のリスク

このような状態を放置すると、膝関節の周辺組織に炎症が波及し、他の筋肉や靱帯にも影響を与えるリスクが高まります。膝をかばって歩くことで、股関節や腰、反対側の膝への負担が増える「二次障害」が起こることも少なくありません。

棚障害は特に学生のスポーツ選手や、長時間立ち仕事をする方に多く見られます。また、初期は「違和感」「引っかかる感じ」程度だったものが、放置することで関節周囲に慢性的な炎症が起こり、治癒に時間がかかる状態に悪化することもあります。

【棚障害(滑膜ヒダ)の主な症状】

棚障害を発症すると、膝関節の動きに不快感や異音を伴うことが多くなります。特に膝の内側やお皿の周囲に違和感や圧迫感があり、動作時に「引っかかり」や「ポキッ」といった感覚を覚える方が多いです。階段の下りや正座、立ち上がりのような膝の屈伸が大きく関わる動作で痛みを感じることが特徴です。また、朝の動き始めや運動後の腫れぼったさ、膝が固まったような感覚を訴えるケースも見られます。

【棚障害(滑膜ヒダ)セルフチェック】

棚障害かどうかをご自身でチェックするために、以下のような状況を振り返ってみてください。膝を深く曲げたときに引っかかる感じがある、正座がしづらい、膝の内側を押すと痛む、スポーツ後に違和感が強まる、階段の下りで症状が出やすいなど、日常的な場面での膝の不調が気になる方は、棚障害の可能性があります。

また、X脚・O脚傾向や姿勢の悪さがある方は、膝への負担が偏ってしまい、棚障害を引き起こしやすくなります。気になる症状があれば、早めの評価と専門的な対応をおすすめします。

以下の項目に3つ以上当てはまる方は、棚障害の可能性があります。

  • □ 膝を曲げるとひっかかるような感覚がある
  • □ 正座をすると膝の内側が痛い
  • □ 膝のお皿の内側を押すと圧痛がある
  • □ スポーツ中またはその後に膝の違和感が強まる
  • □ 階段の下りが特に苦手
  • □ X脚・O脚や猫背を指摘されたことがある

【すぎやま鍼灸整骨院での棚障害の施術法】

▶ 状態の把握と原因の特定

棚障害の施術は、痛みのある部位に直接アプローチするだけでなく、なぜそこに負担がかかっているのかという原因を突き止め、全身のバランスを整えることを基本としています。まず、超音波エコー観察を活用し、膝関節内部の滑膜ヒダや周囲組織の状態を画像で確認します。その上で、どの動作で痛みが生じているのか、膝の可動域、筋肉の緊張状態、日常生活における体の使い方まで丁寧に確認していきます。

▶ 鍼灸・手技療法(痛みと炎症の緩和)

次に、鍼灸治療や手技療法を用いて、膝周辺の炎症や過緊張している筋肉を緩めていきます。炎症が強い場合にはアイシングや軽いモビリゼーションを併用し、痛みの軽減を図ります。また、大腿四頭筋や内転筋など関連筋に存在するトリガーポイントに対するアプローチも行います。

▶ 骨格矯正・動作指導(再発を防ぐ土台づくり)

炎症と痛みの緩和が進んだ後は、骨盤や股関節、足関節など膝に連動する部位の調整を行い、全身のアライメント(姿勢の軸)を整えていきます。これにより、膝への負担が集中しない身体の使い方へと変えていきます。併せて、歩行や階段昇降などの動作指導も行い、日常の癖を見直すサポートも実施します。

▶ メディカルトレーニング(機能回復と予防)

最後に、メディカルトレーニングを通じて、膝周囲の筋力や体幹の安定性を高め、再発しにくい身体づくりを目指します。中臀筋や内側広筋など、特に弱くなりやすい筋群を狙ったトレーニングを実施し、EMSやバランスボールなどを活用しながら、患者様の体力や状態に応じた指導を行っていきます。

矯正インソール (負担軽減・悪化防止)

棚障害の直接の原因は「タナが肥厚し、関節内で擦れる」ことですが、なぜそのタナに負担が集中してしまったのか? を考えると、膝関節にかかる力の“向き”や“バランスの崩れ”が背景にあることが非常に多いのです。矯正インソールを使用する最大の目的は、足元から“膝への力の伝わり方”をコントロールすることです。

  1. 足部の過回内を整えることで、膝の内側への倒れ(ニーイン)を防止
     → 膝蓋骨の動きが安定し、タナへの圧迫力を減らします。

  2. 足部のアーチ構造を補正し、着地時の衝撃を吸収・分散
     → 歩行・ランニング・ジャンプ時の衝撃が関節内に集中しづらくなります。

  3. 左右の足の使い方に差がある人も、動作の非対称性が改善
     → 筋バランスや歩行のクセによる膝のねじれを予防できます。

さらに、すぎやま整骨院で導入しているFormthotics Medicalのような医療用インソールは、熱形成によって個々の足に合わせた精密な調整が可能であり、市販品とは異なり、成長期や繰り返し負荷の多い運動部の学生に対しても安全・効果的に使用できます。

【棚障害(滑膜ヒダ)の治癒経過と通院目安】

棚障害の回復過程は、症状の重症度や生活スタイル、筋力バランスの状態により個人差があります。当院では症状のフェーズに応じて最適なステップを設計し、計画的かつ段階的な改善を目指します。

▶ 軽度の場合

膝の引っかかりや違和感が時折感じられる程度であれば、まずは炎症を抑えるための施術(鍼灸・手技・物理療法)を中心に行います。3〜5回程度の施術で痛みの軽減とともに、関節の動きがスムーズになりはじめる方が多いです。日常生活の動作改善と軽い運動療法を並行して実施します。

▶ 中等度の場合

症状が慢性的になり、階段の昇降や正座などで繰り返し痛みが出る場合は、週2回の集中的な施術が必要です。3週間ほどの継続施術により、痛みの軽減・膝の安定感・違和感の解消が期待されます。関節周囲の柔軟性向上や筋力強化、正しい歩行・動作指導にも重点を置きます。

▶ 重度・慢性化の場合

痛みが強く、長期間症状が継続している場合は、炎症の広がりや二次的な筋肉・骨格の歪みも見られます。1〜2ヶ月にわたる治療プランを立て、まずは痛みと腫れの緩和を最優先にしつつ、根本的な姿勢矯正・筋力再教育を行います。再発を防ぐためのセルフケア指導も徹底します。

症状が改善してからも、膝への負担がかかりやすい方は定期的なメンテナンスを推奨しています。ご自身では気づきにくい身体の使い方の癖を把握し、膝の健康を長期的に維持できるよう、一人ひとりに合った通院計画をご提案しています。

【よくある質問】

Q1. 放置するとどうなりますか?

→関節内で慢性炎症が進み、軟骨や靱帯へ負担が波及する恐れがあります。進行すると関節全体の可動域が狭くなり、他の関節痛も誘発する可能性があります。

Q2. 病院で異常なしと言われましたが治療できますか?

→はい、棚障害はレントゲン画像には映りにくい障害です。当院ではエコー観察と徒手検査、問診によって機能的な異常を丁寧に評価します。

Q3. スポーツを続けながら治療できますか?

→はい。痛みが強くない範囲でプレーを続けながら施術可能です。必要に応じてテーピングやサポーターも活用し、競技を続けながらの改善をサポートします。

Q4. 手術は必要ですか?

→ほとんどのケースで保存療法(手術しない治療)で改善します。当院では手術に至らないよう根本改善を目指し、生活習慣の見直しや運動療法も提案します。

Q5. 再発予防のためにできることは?

→日常姿勢の見直し、筋力のバランス強化、歩き方や階段昇降動作の改善が重要です。当院で個別のエクササイズ指導を行い、再発しにくい身体づくりをサポートします。

【まとめ】

膝の痛みがなかなか取れない。 立ち上がるたび、歩くたびに気になる「引っかかり」。 それは単なる膝の疲れではなく、「棚障害」かもしれません。

上尾市・久喜市・さいたま市北区土呂/宮原すぎやま鍼灸整骨院グループでは、こうした棚障害に対して、対症療法に留まらない「根本改善」に取り組んでいます。

スポーツを頑張る学生さん、働き盛りの社会人、子育てや家事で膝に負担のかかる方。 どんな方にも最適な施術をご提案し、全力であなたの「動ける体」づくりをサポートいたします。

あなたの悩みに寄り添い、諦めない姿勢で取り組む私たちに、ぜひ一度ご相談ください。